出会い。そこから変る日常
ピピピピ、ピピピピ―
俺の頭の上ではいつものようにデジタルの目覚まし時計が鳴っていた。いつものようにそれを止め、学校の制服に着替えて学校にいく。中華連邦に植民地にされ、名を「日本」から「ナンバーズ」と変えられたここでの俺の毎日だった。日本にあいつ等が進行してきてもう10年。ナンバーズでは今ではすっかり未来都市に変わり、所々に日本だった頃の家屋に「似せた」建物が並ぶ。所々に外国人も住んでいる。ナンバーズは正当に日本を制圧し造った土地としている。そこらに居る外国人もそう思っている。でも実際は違う。生き残った者はかつて日本の首都だったトウキョウ、現在では日本人の強制収容所の一つ、ナンバーズトウキョウに連行され、話では強制労働をさせられているらしい。
今、ナンバーズに中華連邦は「憲兵団」と言う日本人狩りの特殊部隊を警察と兼用で配備していた。そいつ等に捕まれば後はさっき言った通りだった。俺はその中で生活している。学校に通いながらも周りから距離を置き、あえて友達なども作らなかった。
中華連邦からこちら移住してきた者にはIDが持たされる。しかし、俺たち日本人はそんな物造る事なんて自殺行為だ。
その様な空間で生活しているとやはり絡んで来るヤツもいた。そんなやつらと何度か喧嘩もして学校ではいつしか「ヤバイ奴」と言うイメージがわいていた。そんなこともあり俺は心から笑えなかった。
放課後―
部活に入らない俺には学校に残る意味も無く早くに帰る。それも日課だった。
今日までは・・・。
人気の無い帰りの帰路を歩いてたとき、一人の女が走ってきた。後ろからは5人の憲兵団。女はたぶん日本人だろう。彼女は前を見ていなかった。俺もそのときまた下を見て歩いていた。まぁ自然の摂理でドッシーン。
「いてててて…。」
結構な力でぶつかったからかな彼女は気絶してた。見た感じそこまできつくない様だがこうなっては放っておく事もできずとりあえず声をかける。
「おいっ!大丈夫か?おいっ!!」
大声で。
遠くから聞こえる憲兵団の声。
『あいつも日本人だな。あいつも捕まえろ!!』
今日ほどおせっかいな事しなきゃよかったと思った事はなかった。彼女を抱きかかえ走りながらも彼女に声をかける。
「おい、おいって!!起きろ」
そんな事何回かした時やっと彼女が目を覚ました。
「う・・・ん」
さすがにずっと女とはいえ走る事もできずに彼女には走って貰う。憲兵団は他に人がいない事を良いことに実弾を撃ってくる。とにかく逃げる物、逃げる物と探してると俺のオフロードバイクがたまたま発見。ここに置いてて正解だった。幸い鍵はかかってなかった。それに二人で乗り込むと同時にヘルメットも付けずにアクセルを限界まで回した。