陰謀の全容 2
ロドリゲス公爵も蒼褪めながらも
「確かに正教会はフェッツランド王国の中で魔法の力で言えば最大の力を持っている。それこそ、下手をすればこの国を揺るがすくらいのだ」
どうにか食い止めなければならない、と言われました。
万一反乱ともなればフェッツランド王国、そして、この公爵領にも大きな災いが起きること間違いありません。
私はラピスお嬢さまとメアリ・ネーベルトさまをチラリと見ました。
正魔法にも戦闘の魔法がございます。
黒魔法はどちらかと言うと人の心理的な暗部を引き出したり、また、人のモノを吸収したりして利用するという特徴があるもので、対外的な攻撃や守りに関しては黒魔法も正魔法もそれほどの変わりはございません。
ただ黒魔法が禁忌とされているのは利用者、若しくは利用されているものの心身への負担が大きく精神が歪むことと人のモノを吸収するので成功すれば甚大な被害を起こすという事があるからでございます。
メアリ・ネーベルトがチラリとラピスお嬢さまを見られました。
「その……今のラピス様になられ前のラピス様には魔力はございましたが通常の魔力でございました。ですが、今のラピス様には聖魔力を感じます。黒魔法を無効化できる力を持っておられるかもしれません」
ラピスお嬢さまも公爵もカッとメアリ・ネーベルトさまを見られました。
それはつまり聖女という事になるのです。
メアリ・ネーベルトはそれに溜息を零され
「ただ、ラピス様の聖魔力を使えるようにするには……かなりの努力をしていただかなければなりません。これまで」
と一息つかれました。
「サボりまくられましたから」
それかー! とラピスお嬢さまは思わず額をテーブルにつかれました。
しかし時間がございません。
ラピスお嬢さまは顔を上げると
「わかった。時間がないので最大限努力する。絶対にやり切るので先生、お願いする」
と告げられました。
確かにもう賽は投げられてしまったのです。
私はグッと拳を作り
「頑張ってください! お嬢さま!!」
と心でエールを多くいたしました。
気になるのは王へ進言しに行かれたアレキサンダー第二王子です。
恐らくキャンベル公爵家とベイリー伯爵家の包囲網を作ろうとされるのでしょうが……向こうが先手を打っていなければ良いのですが。
何処からか聞こえるはずのない遠雷が私の耳に聞こえています。




