表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/6

和解?

 家ぐらいあるっての‼︎

 

 

 オレは家に帰り、ベッドにどさりと転がった。

 

 次の席替え…いつかな?

 

 …しばらくないよなー。

 

 明日もバカにされるんだろうなぁ。

 

 でも、転校生ってやつがよっぽど珍しいんだろうな。

 

 そもそも転校生を雪咲さんは、なんだと思っているのだろう。

 

 

 オレは早速次の日、雪咲さんに質問してみた。

 

「オレのこと、どうみえてる?」

 って。

 

 その質問を聞いて、雪咲さんは一瞬驚いた顔をしていた。

 

 かと思えば、

「普通にみえますよ。作戦成功ですね」

 と、冷たく言いそっぽを向いてしまった。

 

 作戦?

 

 しかも成功ってなに⁇

 

 オレ…なんにも作戦なんか立ててないよ?

 

 さらに、成功してんの⁇

 

 なに成功したん⁇

 

 

 雪咲さんに聞きたいところですが、しらじらしいとか言われそうでこわいから、聞けませんね。

 

 聞けないけど、成功してるんなら…いいのか?

 

 …

 

 

 もうさ、この際開き直って雪咲さんに怯えずにいこうと思います。

 

 

「成功っていいよね」

 

 オレの言葉を無視する雪咲さん。

 

 

 いいんです!いいんですよ‼︎

 

 開き直り、授業を受けることといたします。

 

 一時間目は、美術。

 

 鏡持参で、自分の顔をかいてみようってお題だ。

 

 意外と自分の顔って…難しい。

 

 てか、自分の顔って…なかなかじっくりみないけど…なんか…人からは、見え方が違うみたいに聞いたけど…ほんとかなぁ?と、鏡と睨めっこしていたら、いきなりオレの鏡にうつりこんてきた雪咲さん。

 

 

 ⁉︎

 

「なっ…なに⁉︎」

 

 オレは慌てて雪咲さんに聞いたよね。

 

 そしたら、

「あー…別に」

 って、あたかもなんにもなかったかのように、自分の絵に没頭しだした。

 

 

 …

 

 まったく、なんなんよ?

 

 たまに雪咲さんがわからない。

 

 いや、いつも雪咲さんはオレにとって、理解不能人間だ。

 

 

 …

 

 二時間目は、国語で自分の名前の漢字をつかい、物語をつくろうだった。

 

 小学生みたいで楽しい授業も大事だと、先生は言った。

 

 

 名前かー…

 

 オレは真山 幸樹

 

 幸せって字が入ってるから、うーんと…

 真実の幸せを掴むためには、山に行けばわかる‼︎

 

 って、よくね⁉︎

 

 登山の話とか!って、テンションが上がっていると、雪咲さんが青白い顔で、

「え…そこで?…あ…、そうなんだ…」

 って、あわれみの顔でオレをみた。

 

 なに?

 

「あの…雪咲さん?」

「えっ?な、なに?」

「顔、青白いけど大丈夫?」

「あー、う、うん…」

「そう?ならよかった。」

 

 …

 

「うん…」

 

 雪咲さんは、いったいどうしたのだろう?

 

 そもそも一時間目から、変だったよな。

 

 オレの鏡にうつりこんだり、二時間目は急に青白くなったり…。

 

 

 青白い雪咲さんは、二時間目から静かになった。

 

 

 そして、その日はオレに嫌味をいうことはなかった。

 

 たぶん具合が悪かったのだろう。

 

 放課後、少し心配になってオレはおもわず雪咲さんに、

「大丈夫?家まで送ろうか?」

 って言っていた。

 

 

 正直、雪咲さんは苦手だけど…やっぱりクラスメイトだからな。

 

 心配では、あるよね。

 

「あー…、でも大丈夫。だって…」

「だって?」

「な、なんでもない。心配してくれてありがとう。じゃあ」

 と、雪咲さんは少しフラフラしながら帰ってしまった。

 

 

 次の日、雪咲さんは珍しく

「なんか…今までなにも知らないのに…色々言っちゃってごめんなさい」

 って謝ってくれた。

 

 おぉ〜‼︎

 

 雪咲さんに何があったのかは、知らない。

 

 でも、謝ってくれたのならこれからは、平和に暮らせそうですね。

 

「うん、こちらこそ」

 って言いながら、ついニッコリしちゃっているオレ。

 

 やっぱり美少女とは、仲良くなりたいですよね。

 

 

 その日は、普通に隣の席の人としてお互い過ごすことができた。

 

 ほんっとによかった〜‼︎

 

 これから次の席替えまで、どうやって乗り切ろうって、正直不安だったんよね。

 

 でも、そんなこと考えなくても大丈夫になりましたとも。

 

 次の日

 

 オレは元気いっぱい、朝から雪咲さんに

「おはよう」

 って声かけをいたしました。

 

 すると雪咲さんは、ムッとしていて

「なんで?せっかくこの間は、かわいそうってさすがに思ったけどさ…昨日のってあなたのしわざなの⁉︎」

 ってプンスカしていた。

 

「昨日?」

「そうよ、金縛り‼︎」

 

 え?

 

 

 なに⁇

 

「金縛りって…オレがどうこうできるもんなの?」

「知らない。でも、夢に真山くんでてたし…その後すぐに金縛りにあったから。でも違うの?」

「うん、オレは何も。てか、それは雪咲さんの思考の問題とか…そんなんじゃないの?よくわからないけどさ」

 と、あいまいな答えを返すしかできなかった。

 

 だって、金縛りって…ね。

 

「違うんだ?なら、よかった。ごめん…疑って」

「ううん。大丈夫」

 

 あぶねー…

 

 雪咲さんの夢のおかげで、また雪咲さんを怒らせるところでしたよ…。

 

 今回は、ギリギリセーフでした。

 

 

 でも、六時間目の校外学習説明の時間に…雪咲さんがとてつもなく取り乱しまして…また微妙な関係になりつつあります。

 

 

 

 続く。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ