ぼろぼろ ドキドキ
あー、やっと雪咲さんから解放されますー‼︎
転校初日、正直クタクタです。
もう心は、ぼろぼろですね。
新学期は、新品の雑巾持参で行きますよね?それがもう一日でズタボロなんですよ?
ってか、オレは雑巾かい‼︎ってね…
まぁ、雪咲さんにしたらオレは雑巾以下ですよね…
雑巾に失礼ですね。
すみません、雑巾さん。
…
そんなぼろぼろなオレは、明日とりあえず席替えまで耐えしのげば、なんとか雪咲さんとは、おさらばなので頑張ってまいりたいと思います‼︎
不安でなかなか寝つけませんでしたが、朝を迎えてしまったので、仕方なく朝をウェルカムいたします。
おはようございます、朝さん。
いつから朝さんで夕さんなのか、そしていつが夜さんなのか、あまり区別がつきませんが、明るいからきっと今は朝さんでしょう。
朝さんに見守られながら、学校に到着です。
恐る恐る教室へと足を踏み入れました。
で…
雪咲さんがいます…が、顔を机に伏せていて、こちらに気づいておりませんので、今の隙に着席いたします。
予鈴がなり、またいきなり
「ふぁあーぁ」
と、あくびの声と同時にアゴパンされたオレ。
雪咲さんから、二度目のアゴパン…
「おっふ…」
思わず変な声をだしてしまいましたよ…
…
「げっ⁉︎今日もいるんだーぁ⁉︎最悪じゃん…昨日のは、夢かと思ったのにぃー…」
と、美人顔をくしゃりと歪めた雪咲さん。
あ、オレのことなかったことにまでしたいんだ?
ひどいなぁ…
ジトーっと雪咲さんをみると、雪咲さんはジロリとオレをみて
「普通に朝からくるとか…マジなんなん…」
と、頭を抱えた。
え…
いや、そりゃ昨日は紹介される感じだったから、あれだけど…今日は、朝から来ないと遅刻やん。
そりゃね、五時間目くらいからオレがくれば、あまり隣にはいなくて済むけどさ…
オレだって、単位落とせないし…
来なきゃじゃん…
と、心でぶつぶつ言いましたとも。
でも、席替えまでの辛抱だもんね。
我慢しなきゃだ‼︎
それにしても、昨日寝不足だからねんっむいのなんのってさ。
思わず朝からあくびしたよね。
そしたら雪咲さんってば、オレをみてまた驚いた顔をしたんよ。
で…
「眠いとかあるんだ?」
ってさ…
「そりゃあるでしょ」
って返したら、感情なんてなさそうに
「へー」
って返ってきましたね…。
あー、早く席替えが待ち遠しいです‼︎
でも、まだ一時間目…
またなんか言われたらやだなぁって思いながらノートとっていたら、やっぱりいきなり
「最近は、なんでも進化してるんですね」
って冷たい視線で、言われました。
…
田舎にだって、文房具屋さんくらいありますよね?
なんなんだ?
田舎者のオレがそんなにイヤかよ⁉︎
ったくよぉ…
相当なきらわれようのオレは、なんとか席替えの時間まで耐えしのいだ。
で…
やっと席替えー‼︎
みなさんは、雪咲さんのお隣をなんとかゲットしたいご様子で、雪咲さんがクジをひくと、いっきにクラスが静まり返り、どの席なんだってドキドキしております。
まぁ、オレもできるだけ遠くに離れたいので、みなさんとは違う意味でドキドキしてございます。
ドキドキ ドキドキ
そして雪咲さんの席は、一番後ろの窓側の席です。
おぉ、良い物件を引き当てましたな。
こんな良い物件、隣になる人は最高ですね。
オレは、場所はいいと思うけど…隣人が難癖女王なのでお断りです。
さあさあ、オレもさっさとクジを引いて、雪咲さんからめーっちゃ離れてのんびり暮らしますよーとクジを引くと…まさかの窓側一番後ろ…の席でした。
はぁ⁉︎
こ、これは…いったい。
…
前の人と席交換してしまおうか?なんてもくろみましたが…前の人めっちゃ背が低いもんだから…頼みずれー。
オレも雪咲さんも、目が死んでます。
最悪です。
…
ですがクジ引きなので、仕方ありません。
大人しく引っ越し大移動開始です。
仕方なく雪咲さんにペコリとお辞儀をした。
すると雪咲さんは、大きなため息を返してくださいました。
あーあ
やだなぁ
…
やだけど、諦めて受け入れるしかありません。
そしてなんとか耐えしのぎ、下校時間になったので、さっさと帰ろうとしたんです。
すると雪咲さんが、
「そんなに慌てていったいどこに帰るんですか?」
って、イヤな感じで聞いてきましたよ?
そりゃ家に決まってる。
帰るって言ったら家でしょ?
「家」
…
しばらく沈黙して雪咲さんは、
「家なんかあるの?」
って子バカにしてきました‼︎
な、なんなん⁉︎
これは…わざと言っているんですかね?
家がない人って、あんまり聞きませんよね?
なんか…真顔で言ってくるのも、悪意があるな。
まったくひどい人だ。
続く。