激しく同意
隣の席の人は、とにかく塩対応で正直辛いって…。
でも、休み時間に早速クラスのムードメーカー的な男子がオレに話しかけてくれた。
「どっから転校してきたの?」
ってさ。
だから、オレは田舎の地名を教えたんだけど、田舎すぎてわからなかった様子。
それをみていた隣の席の女子が、オレたちをみてまた驚いた顔をしていた。
…
な、なぜにそんなに驚くのでしょう?
よくわからないまま、休み時間が終わった。
みんなが席につくと、またお隣さんが
「すごいね」
って言ってきた。
「えっ?」
「とり入る力すごすぎて引く。てか、どうせそれも能力なんだろうね。羨ましいわ」
とだけいい、ツンと別方向を向いてしまった。
…なんですの?
まったく意味不ですが、もしかしたら今日は不機嫌の日なのかも知れませんね。
そっとしておきましょう。
てなわけで、次の授業も教科書借りなくて大丈夫ってお断りした。
一週間くらいで教科書は、届くって先生言ってたし、それくらいなら余裕で巻き返せるっしょ。
って、考えていたらまた隣の席の人が
「勉強するためにきたんじゃないの?」
って、オレを疑いの眼差しでこちらをみてきた。
…
「あー…うん。まぁそうなんだけど…さ」
「そもそも最終目的ってなに?」
…
え?
そりゃやっぱり…
「大学行くためでしょ」
「は?大学⁉︎あー…、そういうことにしてるんだ。そうじゃなくてほんとの目的…いや、やっぱり言わないで」
…
ほんとの目的⁇
「ん?」
「だから、なんでここにいるかってことだけど……聞いたらやばいやつだよね……やっぱり聞かない。とにかく、早くきえてもらいたい。」
…
転校してきて早々…
出ていってと言われるオレって…
てか、きえろって…
めっちゃ嫌われたわ…
やっぱり最初の教科書事件がまずかったな…
謝ると怒られるし…
困ったな…
「オレ…きたばっかりだし、まだここにいるつもりです」
…
「ハァ」
とため息をもらすお隣さん。
めっちゃ嫌われてるやん…
教科書借りたらイヤがられて、借りないと不審がられて…
もう…どうすりゃいいんよ⁉︎
わからないまま、お昼になった。
オレは早速一緒に食べようって、クラスの男子に誘われて食べていたんだけど…
クラスの人と人の間から、めっちゃみてくる隣の席の女子…
そしてめっちゃ驚き顔…
もうさ、いちいちなんなんよ?
てかさ、何をそんなに驚くん⁉︎
わけわからんわ。
ってなりつつ、無事休み時間も終了して席に戻った。
そしたら、また隣の女子に
「普通なんだね」
って言われました。
え?
あなたは、転校生になにを求めてるん⁉︎
普通だから…嫌われたん⁇
…
普通ですみませんって返したかったけど、謝るのはやめてって言われてるしな…
「普通です」
と返した。
「普通とか、こわいんだけど…」
って、ビビられた。
もうさ…なんなんよ…
「普通のなにが悪いの?」
思わずカチンとしてしまい言い返してしまった。
すると…
「普通になりすましが一番コワイじゃん」
って冷たい視線を送られました。
なりすまし?
いや…オレは元からこのままなんですけどね?
転校前、ばりっばりのヤンキーとかさ、そんなんならわかるけど…オレは田舎にいた頃からなんにもかわっていない。
「オレは、ずっとこのままだけど?」
「あー、年取らないっていうもんね」
…
えっ⁉︎
いや…年はとるでしょ⁉︎
もう…意味わからん。
…
あ、永遠に脳みそ幼稚ってこと?
ひどっ…
なんで初対面でオレはここまで言われてるん?
落ち込んでいると、あっという間に六時間目もおわり、帰りのホームルームタイムになりました。
先生が優しい口調で
「明日の五時間目は、学級タイムなんだけどみんな何したい?」
ってにこやかに問いかける先生。
ハァ、和みますなぁってうっとりしていたらいきなりスッと隣の席の女子の、手があがった。
⁉︎
またアゴパンされるって、オレは避けたんよ…
そしたら、まさかのオレに向けての手じゃなくて、垂直にあがる細くて美しいおてて。
あー、よかった。
「雪咲さん、どうぞ」
雪咲さんっていうんか。
雪咲さんは、先生をまっすぐ見ながら
「席替えがしたいです」
と、おっしゃった。
…
オレ…嫌われすぎやん。
でもクラスのみなさんは、喜んだ。
席替えって、少しワクワクするもんね。
まぁ、オレも早く雪咲さんから離れたいっす。
オレもはげしく同意した。
てなわけで、明日には雪咲さんともおさらばです〜。
よかったー‼︎
続く。