初日から
ドキドキ ドキドキ
本日オレは、とある田舎から都会へと転校してまいりました。
真山 幸樹
高校二年生。
父親の転勤でこれから、この土地で頑張ります‼︎
始まります
新生活‼︎
まず職員室へと登校して、先生と教室まで歩いた。
先生は女性で、とても気さくで優しそうな感じだ。
よかったー、優しそうな先生で。
先生は、オレを廊下に残して転校生が来るよ〜って、盛り上げていた。
ウェーイ‼︎と盛り上がるクラス。
特に男子が盛大に喜んでいるっぽい…。
ごめんなさい…女子じゃなくて。
申し訳ない気持ちでいっぱいになったところで、オレは先生に手招きされた。
…
ごめんなさいと思いつつ教室へ、あしを踏み入れました。
ドキドキ ドキドキ
すると、意外にも男子も女子も盛大に
いらっしゃーい‼︎と歓迎してくださった。
あー、よかったぁ。
安心して高校生活を送れそうです。
そして先生が、
「真山くんは、そこの一番後ろの席ねー」
と指差したので先生のおっしゃる通りに、軽い足取りで席に向かった。
みなさん大歓迎だったので、明るくお隣さんに
「よろしくー」
って挨拶するも…
無視…されましたかね?
隣の席の方は、女子だったのですが肘をついていて、髪が顔にかかってどんな表情なのかすらわからなかった。
みなさんから歓迎されていると勘違いしていたオレは、少し恥ずかしくなった。
…
キーンコーンカーンコーンと、チャイムがなり、ホームルームに終わりを告げた。
そして五分休憩になり、辺りをキョロキョロしていたら…
ボンっていきなりアゴパンチされましたけど⁉︎
な、なに⁉︎
アゴパンしてきた隣のかたをみると、めっちゃ目を見開いた女子がいた。
綺麗な人だな…てか、隣の人がオレをみて、なにっ⁉︎みたいな表情をしていた。
いやいや、こっちがびっくりだから‼︎
いきなりアゴパンとかさ。
「な…なん…で、そこにいるの?」
「いや、ここが席なんで」
「は?ヤダー…最悪じゃん。てか、しゃべったし…」
最悪…って言われました。
なんなら話すことすら禁止ってか?
隣の席の女子は、すっごく美人で透き通るような色白な肌で、鼻筋がすっとしていて髪がサラサラな高嶺の花みたいな人だった。
でも、ものすごく冷たい感じの人だなって印象をうけました。
てか、アゴパンとか…ひどいって。
そうこうしている間に、一時間目が始まりました。
一時間目
国語
オレは教科書がなかったので、先生が隣の女子に教科書をみせてあげるようにと、言ってくださったんだけど…
その言葉を聞いた隣の女子は、めっちゃ目を見開いて、
「は?ヤバ…」
って、なにやら驚いていた。
何がヤバいのだろうか?
よくわからないが、隣の席の女子はしぶしぶ教科書を差し出した。
そして…
「すごいですね」
って一言言われた。
すごいですね?
転校早々、借り物したから?なの?
でも、教科書ないのは仕方なくない?
「あの…すみません」
一応謝っておいた。
「そもそも目的は?」
…
え?
目的…
そりゃ勉強に決まってますよね?
授業受けるのに、教科書って必須アイテムですよね?
「いや…勉強するためですけど。」
「へー」
へーって…
なんか…折れそう
心がへし折れそうなんですけどー⁉︎
隣の席の人…めっちゃ冷たーい‼︎
心が折れそうになりつつも、きちんと国語の授業受けましたとも。
で…申し訳ないのでオレが教科書のページをめくったんですよ。
そしたら、めっちゃびっくり顔でこちらを凝視する隣の人…。
あ…勝手に触らないでください系だった…のかも。
「あの、勝手にめくってすみません…」
めくったページをめっちゃ見入る隣の席の人…
勝手に触って、ほんとすみません…
申し訳なさいっぱいだったオレに隣の席の女子は、
「そんなことできるんですね?」
って驚いていた。
えっ…
ど…どう…いうこと…なのですか?
そんなことって…どんなことー⁉︎
よくも勝手にわたしの教科書触れたわね?汚らしいってこと⁉︎
…
「なんか…すみません」
「謝らないでよ。コワイな」
コワイ?
もう、オレはどうしたらいいんよ?
「てか、ついてこないでよね?」
「えっ?」
「だから、家にまでついてこないでよねって言ってんの」
…
「いや、行きませんけど…」
「あっそ。ならよかった。あと、とばさないでね」
「えっ?」
「生き霊みたいなやつ」
「はぁ…」
隣の席の人は、オレを相当なやつだと思ってるっぽい?
教科書借りるし、かってに教科書めくるし?
オレって…実は相当あつかましいやつなのでは?
なんかごめんなさいだ。
…でも、コワイから謝らないでって言われたし。
もうこれ以上は、関わらない方がいいのかな?
教科書…届くまで教科書なしですごそうかな?
そう考えていたら、次の授業も教科書見せてやれって先生が言いました。
だからオレは、
「大丈夫っす」
と、お断りした。
すると隣の席の人は、
「どうするの?やっぱり目的は…勉強じゃないんじゃないの⁉︎」
と、怯えた顔をした。
いや、勉強したいけど…あなたがコワイからじゃありませんか…。
こっちが怯えるわ。
アゴパンといい、そのコワイ口調…
まったくなんなんでしょうね?
続く。