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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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ドナドナ

 ガタンガタンと揺れる馬車の荷台に、俺とガキを含めた六人が、すし詰め状態で運ばれている。


 何故かって? 俺が訊きたいね。ついさっきまで防具を選ぼうとしていたはずなのに、気付いたらこうなっていた。どうやら俺が発注した依頼の準備が出来たらしい。

 だとしても、だ。宿屋に連絡をくれるって話だったよね? 急過ぎない? 正直、拉致られたかと思ったからね。そのせいで、防具買えなかったんだからな。死んだら、お前らのせいだかんね? 因みにクソガキは、ちゃっかり杖を買ってやがった。なんか、三蔵法師が持ってそうな立派なヤツ。よく見ると、結晶が埋め込まれてる。おい、それ、絶対高かっただろ。


 「依頼人のあんちゃんよぉ、そんな装備で大丈夫か?」


 俺の真正面に座る、板金の鎧にゴツい盾を背にした男が話しかけてきた。


 「いやぁ、大丈夫じゃないですね。なので、俺は戦力として扱わないでいただけると有り難いです」


 「そうなのか? てっきり、一緒に乗り込むもんだと思っていたぜ」


 いや、マジ勘弁。ファーストペンギンみたいな勇気を俺に求めないで。


 「グロー、この方は飽くまでも依頼人だ。無理を言っちゃいけないよ」


 そう窘めたのは、グローと呼ばれた男とは正反対に、革の防具を身に纏った痩せぎすな男だった。


 「そうは言ってもよぉ、目の前で死なれたら目覚めが悪いじゃねぇか」


 まったく同意である。だから、あなたが全力で俺を守ってほしい。

 そんな言葉を呑み込み、慣れない会話を試みる。遠い知人より近くの他人だ。何かの拍子で助けてくれるかも知れない。


 「お二人は仲が良さそうですが、パーティーを組んでいるのですか?」


 「ああ、この荷台にいるお前さん達二人を除いた四人が、俺達のパーティー『白い煙』だ。タンクの俺に斥候のテック、それから剣士のアイコスに魔法使いのプルーム」


 グローと呼ばれる男が、それぞれのメンバーを紹介していく。

 なるほどなるほど、まったく覚えられそうにもないが、要するに電子タバコの会合と考えて良さそうだ。


 「とてもバランスの良いパーティーですね。あ、申し遅れました、私、タロウと申します。何卒、宜しくお願いします」


 俺が恭しく頭を下げた時、隣で小さく吹き出す不届き者がいた。クソガキが、捻るぞ。


 「で、こちらが私のボディーガードとなるレノアさんです。皆さんはご存知でしょうが、このレノアさんはどこのパーティーからも断られるような可哀想な方ですが、何卒よろしくお願いします」


 再び俺が頭を下げた時、クソガキが烈火の如くこちらを睨んでいた。ざまぁ。


 「それにしても、私達の馬車を含めて五台ですか。それぞれ六人乗って居るので、三十人。なんというか……」


 「壮観だろ? それぞれパーティー毎に乗り込んでいるらしいからな。六人のパーティーも居れば、ソロの奴もいる」


 うん、確かに壮観なんだけどさ、ちょっと疑問があるんだよね。


 「私の依頼料は100万ゴルドしかないのですが、こんなに集まって足りるのでしょうか?」


 いや、本当に有り難いんだよ? でもさ、最後になってバトルロワイヤルみたいな展開は御免なんだが。


 「あー、それなら領主様が金額を上乗せしてくれたから大丈夫だろう」


 マジか! サンキューオールバック兄貴! 最早、記憶の断片にある顔もあやふやだけど、あんたの事は忘れないよ。

 つうかさ、三十人? もう勝っただろ、これ。


 俺は早すぎる勝利に浸りながら、過ぎゆく景色を眺めた。

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