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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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38/59

エンドレスモヒカン

 はあ、クソっ、久しぶりに死んだ気がする。やっぱり、尋常じゃなく痛い。尿路結石になった時より痛かった。今回の死因はなんだ? 内臓破裂か? いずれにせよ、二度と御免な死に方だ。


 「タロウ、死ぬとは情けない」


 「……そう思うんなら、モネが助けてくれても良いんだよ?」


 「まさか死ぬとは思わなかった」


 それについては同意する。あのピンクモヒカンめ、今度会ったら死兆星を見せてやる。


 「でもなぁ、あのモヒカン、ワイバーン狩るって宣言する程の強者なんだよな」


 「ワイバーンを狩る? あのモヒカンが? それは嘘」


 「ホワイ?」


 「ただのハッタリ。ステータスが200しかない雑魚」


 マジで? ブラフだったの? にしても、だ。俺が本当にワイバーンを殺せる力があるとは思わなかったのかな? 鑑定がないはずだから、一か八かで突っかかってきたって事だよね? やべぇな、あのモヒカン。ああいう頭がおかしい奴には、関わるだけで損だな。とりあえず俺の役目は、マフィアの冒険者を視認する事だ。空気となって、存在感を消すしかない。


 「とりあえず、寝てから考え……ん?」


 おかしい。俺の服装が既に冒険者仕様になっている。以前だったら、死んだ後は最後に寝た時間まで戻るはずだったのに。なぜ?


 「これは、どういうことだ?」


 「何が?」


 「戻る時間が短くなってない?」


 「クエストの最中は、そういう仕様」


 どういう仕様? いつもこの羽虫は、肝心な所をはぐらかす。これがサポーターなんだから、俺の詰み具合がより一層深みを増す。


 「アニキ! 準備できましたか? 行きましょう!」


 フルアーマーのバカが勝手に部屋を開けて言い放つ。誰も俺の言葉なんて聞いちゃくれない。



―――


 やって来ました、冒険者ギルド!

 ……はぁ~、分かってた事とは言え、相も変わらぬケンの寄り道には辟易した。


 ギルドの中に入り、様子を探る。ケンの奴、どこにいるんだ?

 すると、前からピンクモヒカンがやって来る。俺は咄嗟に、壁際まで避難した。オッケー、上出来だ。


 「お前、なにガンくれちゃってんの?」


 おっ? 誰かモヒカンの餌食になったのか? そう思い辺りを見回すと、何故かモヒカンがこっちを睨んでる。

 はぁ? 俺? ふっざけんなよ! こっちは最大限に譲歩してやってるだろうが!


 思わず睨み返したのが悪かった。ピンクモヒカンは素早く俺の懐まで潜り込み、襟と腕を掴んで投げた。放り投げるのであれば、まだ良かった。あろう事にモヒカンは、垂直に持ち上げて体重を掛けた。俺の頭は床と共に砕けた。


 【DEAD END】



―――


 あまりの苛つきに、モヒカンにジジイのボウガンを放った。余裕で矢を掴まれた。それを投げ返され、俺の眼球から脳に至るまで貫いた。


 【DEAD END】



―――


 ピンクモヒカンが前からやって来る。俺は壁際まで離れ、壁に目を向ける。


 「お前、見ない顔だな? ステータスは?」


 明らかに俺へ向けての言葉。俺は思案し、振り向いて答える。


 「200です」


 「おっ? 俺と同じ位だな。手合わせしようぜ」


 有無を言わせないモヒカンの手刀が、俺の喉に突き刺さった。


 【DEAD END】



―――


 「お前、見ない顔だな? ステータスは?」


 「100程度です」


 「なら、これくらい避けられるだろ」


 モヒカンの手刀が俺の喉に突き刺さった。


 【DEAD END】



―――


 「なんなんだよ、あいつ! 手合わせって言葉知ってる? いきなり急所を狙うのは殺し合いって言うんだよバカ!」


 「タロウ、荒れてる」


 「そりゃ荒れもするわ! こっちがガン無視してんのに、一々突っかかってきやがって! あいつのせいで、何回死んでんの俺? 腹立つわぁ!」


 「それより私は、タロウの精神力に畏怖してる。死ぬのが怖くないの?」


 「怖ぇーよ! すっげぇ痛ぇし。でも、それよりモヒカンに腹が立ってしょうがない。何なのあいつ? 避けられないイベントじゃないよね?」


 「多分タロウは忘れてるから助言するけど、NPCを殺した人間は、NPCに嫌われる」


 「え? それって、あのクソジジイの事だよね? でもさ、ケンとかオールバック兄貴とか親切じゃん」


 「親切と好感度は別物。本当に好感を抱いているなら、このクエスト自体が発生していない」


 そういや、そうだった。そもそもケンに騙されたから、こんな目に遭っているわけで。

 え〜、でもさ、あのモヒカンはやり過ぎじゃない? 嫌われ方が異常なんだけど。


 「モネさん、お願いがあるんだけど、俺の頭の上に乗っててくれない?」


 「本来なら断る所だけど、あまりにもタロウが不憫。仕方ない、承諾する」


 よっしゃー! 待ってろモヒカン! お前のターンは終わりだ!



―――


 「てめぇ、なにガンくれちゃってんの?」


 「うるせぇ、チンピラが! 話しかけるな殺すぞ!」


 「上等だよ! やってみろコラァ!」


 モヒカンが手刀で俺の喉を突く。しかし、モヒカンの指はあらぬ方向に曲げられ、骨がはみ出した。


 「ぎゃあああ! 俺の指がぁ!」


 うずくまるモヒカンの頭に、俺は目一杯足を踏み込む。全然動かない。どういう首してんだよ。まあ、いいや。格好的に、俺がモヒカンを踏んづけてる画には変わりない。


 「おい! 腐れチンピラ! よく聞けよ! これ以上、俺を怒らせるな、分かったか? 返事は!」


 モヒカンはビクっと体を震わせ、力無き言葉でハイと呟いた。


 俺は足を下ろし、モヒカンの怪我している方の手を蹴る。うめき声が漏れるが、知ったことか。


 「早くどっか行けよ、邪魔なんだよお前。なんなら、手合わせしようか?」


 モヒカンはそそくさと、ギルドの外へ逃げて行った。

 あ〜、スッキリした! 最高な気分だ! 今ならどんな状況でも耐えられ……ん?


 はたと我に返り、周りを見渡すと、ドン引きしている冒険者の方々がこっちを見ていた。


 えっと、確か俺の目的は、マフィアの冒険者を確認する事と、冒険者への依頼……。


 冒険者への依頼? ムリムリムリムリカタツムリ!

 俺はどうやら詰んでしまったようだ。

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