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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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34/59

戦争、しちゃう?

 「兄さんの了承を得ました。ですが、兄さんは領主代行として動けない為、諸々よろしくとの事です」


 ケンが緊張した面持ちで話している最中、俺はベッドでゴロゴロしながら鼻をほじっていた。


 「ふーん。で、報酬は?」


 「マジックバッグと200万ゴルド、これが精一杯です」


 流石は貴族、俺が提示した金額よりも上乗せしてきたな。これ以上ゴネると、俺の身が危ういか。


 「了解した。最大限の配慮に感謝する」


 俺がそう言うと、あからさまにケンがホッとした。


 「それで、ソラリオース家を壊滅させる訳だけど、お前に良い案があると考えているんだが?」


 いや、本当に頼むよ。言い出しっぺが、猪突猛進にガンガン行こうぜ、なんてお終いだからね。緻密、とまでは言わないが、せめて勝算のある作戦が聞きたい。


 「任せて下さい! 俺は何年も前から、どうやったらマフィアを壊滅させられるか考えていましたから」


 おお、ケンが頼もしく見えるぞ! 最初会った時に、俺をボウガンで撃ち殺そうとした奴と同一人物だとは思えない。


 「聞かせてくれ」


 「はい! まずは俺とアニキが、ソラリオース家に突撃します」


 ん? 初手から怪しくない? ま、まあ、まずは聞こうか。


 「そして、ソラリオース家の当主と幹部を皆殺しにします。幹部は五人いますけど、何とかなるでしょう!」


 おい、誰だこの馬鹿を頼もしいって言った奴は。何とかなるでしょう? なるか、ボケ! おいおいマジかよ、何年も考えてとか言ってなかった? それがコレ? 頭がポリゴンになってない? はぁ~、所詮はケンか。そりゃ脈絡もなく、俺にボウガンを撃ち込む訳だわ。


 「それで? 当主と幹部を皆殺しにした後は?」


 「え? それで終わりですよね?」


 「バカかよ! 終わるのは俺達の命だろうが! 構成員が黙ってる筈がないし、帰りに狙われるだろ! お前さぁ、もうちょっと思慮深くなれよ。マフィアだぞ? まず当主と幹部をどうやって殺すんだ? 護衛が絶対いるに決まってる。そうなると、二人だけで行っても無駄死にだ」


 「でも、これ以上人を増やすと、相手に気付かれます」


 「何で? いいじゃん、気付かれても。この街にもマフィアが潜んでるんだろ? どうせ気付かれるって」


 「じゃあ、どうしたら……」


 「お前の親父を最大限に活かす」


 「親父を? でも、親父はアニキが殺すんですよね?」


 「うん、殺すよ。でも、公に発表する犯人は、ソラリオース家だ。そうだな、この場合当主が一番効率が良いかな」


 「効率? 何の為に?」


 「おいおい、お前は元兵士だろ? この街の領主が暗殺されたんだ、軍を動かすに決まってるじゃないか。動かせるよな、軍」


 「た、確かに、大義名分は立ちますが、そうなると、イメガとの戦争になりますよ?」


 「だろうね。そもそも訊きたいんだけど、国として戦争は禁止されてるの?」


 「パジェスタ国の自治権は、その街の領主に委ねられています。だから、禁止ではないです」


 「じゃあ、やろうか。戦争」


 「で、でも、それだと、イメガに住む一般市民も巻き込む可能性が」


 「だから? 目的を間違えるなよ、ケン。お前はマフィアを潰したいと願った。ならば、大元のソラリオース家を潰す事になる。貴族を潰すんだから、多かれ少なかれ市民に影響は与えてしまうものだろ?」


 「それは、そうですが。何かモヤモヤします」


 「だったら、お前が兵士を纏めればいい。一般市民を巻き込みたくないのなら、お前が責任を持って兵士を監督しろ」


 「わ、分かりました! では、今から兵士を集めて来ます!」


 「バカ! 行くなバカ! 何なのお前? ちゃんと話聞いてた? お前の親父がまだ死んでないでしょうが! ったくよぉ、お前はとりあえず兄貴に報告しろ。いいか? ちゃんと報告するんだぞ? 間違えたら、ぶっ殺すからな」


 「う、うす」


 慌ただしく部屋を出て行くケンを尻目に、俺は途方もなく疲れてしまった。

 はぁ~、戦争か。やりたくねぇ。


 平和主義者の俺が、やりたくもない戦争に身を投じなければならない。そりゃ、ちょっとは戦争に向けてアシストしたけどさ、そうしないとあのバカが俺を巻き込んで自爆する勢いだったのだ。仕方ないよ。


 今はただ、ゆったりと湯に浸かりたい。

 俺は早々に部屋を出て、風呂場へ向かった。

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