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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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32/59

世界地図

 「アニキ、何でニヤニヤしてるんですか? ちゃんと聞いてます? これが地図ですよ」


 ケンが訝しながらも、地図をテーブルに載せ、トントンとある一点に指を差す。


 いや、ごめんね。あまりにもケンのこれからが可哀想で、自然と笑みが溢れていたよ。

 お前が嵌めたお陰で、クソみたいなクエストが発生したんだ。俺が赦す道理はないよなぁ? 頼むから、必死になって足掻いてくれ。


 おっと、いかんいかん。楽しむのはまだ先だ。とりあえず、地図を見て地理を把握し……ん?


 「おい、ケン。なんかこの地図変じゃないか? 何で隣が海なんだよ? そしてお前はどこを指差してんの? パジェスタなんて知らんけど」


 「さっき言ったじゃないですか! パジェスタ国って! つまり、この国にソラリオース家があるんです」


 「へぇ、で? ここの街アズーレはどこにあるんだ?」


 「同じです。パジェスタ国です」


 「は? ちょっと待って。何でお前はこの地図を持ってきたんだ?」


 「えっ? だってアニキがパジェロとか言うから」


 「バカかよ! これ世界地図だろうが! 俺が知りたいのは、アズーレとソラリオース家がある街との距離や道のりなんだよ! 尺度考えろタコ!」


 「いや、だって、地図はこれしかないから」


 「はぁ? 本気で言ってる? 世界地図があって、何でその国の地図がないの? バカなの? 死ねばいいのに」


 「俺に言われても……でも、アズーレからイメガまでの道のりなら、俺が知ってます」


 「待て待て、勝手に単語を増やすな。オメガ? という街にソラリオース家があるって事で良いんだな?」


 「イメガです。まあ、はい。その街にソラリオース家があります」


 ふぅ、何の時間だったんだ? マジでこの地図を持ってきた意味が分からない。とりあえずケンの頭を引っ叩きたい。大体さ、俺がこの世界の世界地図を見たってしょうがない……はずだよな?


 よくよく地図を見ると、あら不思議、日本があるじゃないですか! ジパングって名前だけど。いや、別に不思議でもないか。どうせ主が横着した結果だろう。


 日本があるって事は、他の国もあるよね? ほら、あった、オーストラリア。名前は違うけど。もしかして、現代の六大陸で区切ってる? いや、違うな。国の数が10もある。


 でも、あながち間違いでもなさそうだ。北アメリカと南アメリカ、それに南アフリカに南極、そしてオーストラリア。この5つは国となっており、周りが海で囲まれている。


 残すはユーラシア大陸な訳だが、この地図では縦にぶった切ったような適当さを感じる。だって、ロシアと中国が半分に分かれてそれぞれが別の国になってるもの。それが欧州でも行われており、結果的にユーラシア大陸だけで4つの国が存在している。勿論、すべてが海に囲まれている。因みにパジェスタは、ヨーロッパのほとんどを内包している。


 何なの? そんなに海が好きなの? これじゃ、気軽に旅行できないじゃない。どうせ、海にはモンスターがいるんでしょ? そして日本、お前は鎖国でもしてんの? 一番小さい国なのに、自給率大丈夫? よく存在してられるな。


 「そういえば、アニキの容姿ってジパング人に似てるよね」


 当たり前だろうが。俺は生粋の日本人だからな。

 ……何でケンが日本人の容姿を知ってんの? おかしいよね? 飛行機でも10時間は係る距離だぞ?


 「お前、ジパングに行ったことあるの?」


 「いやいや、俺はこの国から出たことはありませんよ。というより、出られない。海のモンスターがめちゃ強なんで」


 「じゃあ、なんでジパング人を知ってんの?」


 「え? だって、先日ジパングの人間が八つ首のモンスターを倒したって、世界中に知れ渡りましたから」


 八つ首のモンスター? ヤマタノオロチか? それより、知れ渡るって何?


 「そういう魔道具があるの?」


 「魔道具っていうか、どこの国にも一つだけある国宝なんですけど、それを使えば世界中に映像として流せます。ま、偉業を見せつけて、自分の国がどれ程強いのかを知らしめる目的ですね。いわゆる、戦争回避の予防策です」


 へぇ、そんなのあったんだ。俺は見てないけど。


 「先日って、いつ? 俺は知らないんだけど」


 「アニキがこの街に来る前ですね。相手の国から受け取った情報を街に流すかは、その国の判断になるんで、すべてが流せる訳でもないらしいです。まあ、今回の場合は、パジェスタから遠い国だったんで、すべての街に映像が流れましたけど」


 ふーん、国の思惑も絡むわけか。隠す国は隠すだろうな。ま、俺には関係ないけど!


 「それにしても、あの八つ首モンスターを倒したゴトウって冒険者は凄かったなぁ。ステータスが1万超えっていうのは、眉唾ですけど」


 ん? ゴトウ? ま、まあ、ジパングだし、そういう名前がありふれているんでしょ……嫌な予感がする。


 「ステータス1万って、凄いの?」


 「そりゃ凄いですよ! 本当だったら、お伽噺に出てくる英雄レベルですね。ま、たぶん嘘でしょうけど」


 「……モネ、何か言うことはある?」


 「特にない」


 「ゴトウだってさ、知ってる?」


 「知る知らないで言えば、知ってる」


 「まさか、寝ずに頑張ってクリアした人じゃないよね?」


 「そのまさか」


 ああぁ! クソ! ゴトウ、てめぇふざけんなよ! ステータス1万? 頑張り過ぎだろ! しかも、日本でゲーム開始かよ、これもうチートだろ。他の奴らも、もしかして日本にいるの? そんなの俺の心が耐えられない!


 「タロウ、悲観する事はない。ゴトウがラッキーだっただけ」


 「本当に? 信じちゃうよ? いいの?」


 「この世界には10の国がある」


 うん、そうだね。ドヤ顔の所悪いけどさ、俺が知りたいのは、他の8人……まさか!


 「それぞれの国に一人ずついるのか!?」


 「その通り。タロウは地理的には恵まれている」


 確かに、南極にいる人と比べれば、断然こちらの方が恵まれている気がする。つうか、南極に国創るなよ。可哀想だろ、生きて行くだけで精一杯だろうに。


 「南極の人、気の毒だな」


 「大丈夫、その人はステータスが飛び抜けている。寒さなんて感じない」


 なにそれ、凄い。それなら、まあ大丈夫か。俺みたいに死ぬ事はないだろう。それよりも、ゴトウ、てめぇは赦さねぇ! あんな狭い島国で、クリアしましただぁ? 舐めんなよ! こっちは各地を巡るだけで、年を跨ぐ距離があるんだぞ。それも常に命懸けの冒険だ。てめぇもそこから天竺を目指すくらいしろよ。


 あぁ、分かってる。ゴトウはもう居ないんだ。あいつはさっさとクリアして、今頃、現実で布団に包まって寝ている事だろう。


 悔しいです! 俺はゴトウを憎まずにはいられなかった。

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