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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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31/59

ケンの役割

 ふぅ、とりあえず落ち着こう。ケンは当然殺すとして、まずはクエストについて考えなければならない。


 「このクエストを達成したら、クリア扱いになるのか?」


 「ならない。この程度は、お使いクエストみたいなもの」


 お使いクエスト? マフィアを壊滅させることが? 俺はジェイソンのステイサムじゃねーんだよ。それどころか、基礎体力が中年男性の平均値を下回っていると自覚している。レベル2になって、ようやく基準値に達した程度だろう。そんな俺がマフィアと相まみえる? 大気圏外に行って、考えるのをやめた方がよっぽど理性的だ。


 「クエストって事は、もちろん失敗もあり得るよな?」


 「そこはイージーモード。失敗する度にクエストの初めから戻ってやり直せる」


 ちっ、余計な事を。こちとら、失敗でも良いからさっさと先に進みたいってのに。回避できないイベントは、ボス戦だけにしてほしい。

 はぁ~、くそムカつくが、クエストを進めるしかないか。


 「おいケン! ソラリオース家の情報を寄越せ」


 「ソ、ソラリオース? 何でアニキがその名前を?」


 「うるせぇ! いいから教えろ!」


 普段の俺なら3秒で記憶から消去できる名前も、【クエスト:ソラリオース家を壊滅せよ!】この表示が、パソコンでいうステータスバーの位置から一向に消えない為に、俺の神経を逆撫でする。邪魔くさいったら、ありゃしない。


 「アニキ、俺の事を許してくれるのか?」


 「はぁ? 許す訳ねーだろ殺すぞ」


 「じゃ、じゃあ何でソラリオースの事を訊くんだよ? あそここそがマフィアの総本山なんだぜ?」


 ああ、やっぱりそうなのか。分かっちゃいたが、本当にマフィアを壊滅させないといけないのか。がっくりするね。


 「とりあえず、ソラリオース家について詳しく教えろ」


 「ソラリオース家はパジェスタ国にある男爵家で――」


 「バカ! 誰がそんな事を訊いてんだよ! パジェロとかどうでもいいから、ソラリオースの事だけ話せ!」


 「いや、パジェロじゃなくパジェスタ……分かった、今地図持ってくるから待っててくれ」


 ケンはそう言うと、部屋から飛び出して行った。


 なんだよ、地図あるんじゃん。出し渋りやがってクソが。あいつはやっぱり特攻させて死んでもらおう。マフィアを潰したいって言ってたし、あいつも本望だろうよ。


 しかしなぁ、どう考えても、このクエスト達成できる気がしない。だって、明らかにこちらの戦力不足だもの。相手がどれ程の組織かまだ分からないが、こっちよりは確実に人材が豊富だ。俺が所持してる戦力なんて、使い潰す予定の特攻兵一人だもんな。


 「モネ、このクエスト難易度がエグいんだけど」


 「どの辺りが?」


 「主に、戦力らへんが」


 「そうは思わない」


 何でもない事のように言い放つ羽虫に、俺は違和感を覚える。

 思わない? という事は、羽虫は戦力に差がないと見積もっている? だが、戦力なんて何処に……。


 「お待たしました! 地図を持って――」


 ケンが部屋に入って来たことで、俺はようやく理解する。

 この家か。ナントカ家という領主の息子で、俺にクソッタレな面倒を押し付けたケン。こいつは確か、兵士をやっていた。つまり、コネが利く。それに、なんだかんだで顔が広い。恐らく、冒険者ギルドにも融通が図れることだろう。


 良かったなケン、お前は特攻兵じゃなかったよ。代わりと言っちゃなんだが、神輿になって担がれてはくれないか?


 問題はマフィアの幹部であり、領主でもあるケンの親父……邪魔だな、殺すか。オールバック兄貴も邪魔をするなら殺そう。最悪、ケンが領主になれば、指名手配はされないだろう。


 安心しろ、ケン。お前が親殺しをする必要はない。それは俺がやってやる。だから、お前は安心してマフィアを潰せ。


 俺は冷めた紅茶を一息に飲み干した。

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