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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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30/59

クエスト?

 洒落にならない御家騒動の秘密を知って、マフィアから命を狙われると勝手に勘違いをしたわけだが、少し時間を置けば、果たしてそうだろうか、と疑問を抱くようになった。決して、このベッドから離れたくないから思いつきで言ってるわけじゃない。俺はベッドでゴロゴロしながら、思考を巡らせる。


 まず、マフィアってなんぞや?

 俺はどうしても現代の印象に引っ張られて、麻薬カルテルとかどうしようもない大きな組織を連想してしまうのだが、ここでもそうなのだろうか? 俺は違うと思っている。というか、違うと期待している。


 まず、冒険者ギルドの存在だ。

 一握りの逸材しかいないかもしれないが、モンスターを狩る事が出来る戦力は、暴力を生業にする上で無視出来ないはずだ。勿論、犯罪者にも腕が立つ者がいるだろうけれど、冒険者ギルドと対立するような間抜けではない。未だにマフィアが存在している、それこそが何よりの証明だ。


 つまり、この世界に於いてマフィアとは、市民からちょろっとお金を巻き上げる半グレ程度の存在ではないだろうか? 或いは、闇バイトに群がる一般市民かもしれない。領主に関しては、上手く弱みでも握ったのだろう。どちらにせよ、憲兵に見つからないようコソコソとしている小者に過ぎない。


 どうよ? このコ◯ン君も真っ青な推理。俺は満足しながら、チリンチリンと呼び鈴を鳴らし、ケンを呼ぶ。


 「いえアニキ、マフィアはそんなヘタレた奴らじゃありません。実際、過去に憲兵と血みどろの争いをしましたから」


 あれ?


 「それに、そもそも冒険者ギルドがマフィアの温床です。モンスターを相手するのは至難でも、人間相手ならどうとでも出来る人材は重宝されるんですよ」


 あれれ?


 「後、親父は元々がマフィアの幹部です。弱みなんて握られなくても、とっくにボスを心酔してますよ」


 おっかしぃぞう? ぼくのかんがえたさいきょうのすいりが。


 って、ふざけんなよ! 武力も揃ってて、権力をも手中に収めてる? マジでマフィアじゃん! はいはい、やってらんねぇですよ。関わるだけ損ですわ。流浪の民である俺には、関係のない話でした。さっさと出て行くに限るね。


 「ケン、荷造りの準備するから手伝って」


 「え? ドコに行くんですかアニキ?」


 「ん〜、決めてない。とりあえず、お前の親父さんが帰って来る前に、出て行く」


 「……アニキ、逃げるんですか?」


 「あん? 何だって?」


 「逃げるのかって訊いてんだよ! このハゲ!」


 ハ、ハゲじゃねーし! これはそういう仕様を余儀なくされた結果だし! つうか、コイツいきなりキレるじゃん。どうした? 思春期はとうに過ぎてるぞ。何の思惑か知らんが、この程度の罵倒で俺がムキになると思っているのなら、甘すぎて反吐が出る。伊達に33年罵倒されて生きてきた訳ではないのだよ。


 「うん、全力で逃げる。俺には関係ないし」


 「ふざけんな! アンタはジークを殺したじゃないか!」


 「うん、殺した。でも、そうしなければ殺されていたから」


 「いいのか? マフィアから仕返しが来るぞ!」


 「だから逃げるって言ってんだよ」


 「ムリだね! 逃げられない、絶対に。アンタは怯えながら過ごすしかないんだ!」


 何なのコイツ? 何がしたいの? さっきまで散々アニキって言ってたくせに、今はまるで下町のチンピラだ。いい加減、鬱陶しいぞ。


 「とりあえず、地図ある? 後、リュックとか欲しいな」


 「は? この期に及んでパシらせようとしてる? イカれてる……舐めてんじゃねーぞ!」


 「うっさい!」


 羽虫が声を荒らげた。だけなら良かったが、羽虫の周囲から電磁波のようなバリバリが蠢いている。


 「私は寝てた。邪魔をしたのは誰?」


 「アイツだよアイツ! 俺じゃないからね、モネ」


 グッジョブ、俺! 咄嗟のファインプレーだ。


 「おいバカ、私は機嫌が悪い。正直に答えよ」


 「な、なんでしょうか?」


 「お前の目的は何? タロウに何をさせたい?」


 は? なに訊いてんの? そんな事どうでも良いよ。あれ? なんか、寒気が。


 「俺はマフィアを潰したい。アニキにも手伝ってもらいたい」


 バーカ! 誰がやるか、そんなもん! おい、羽虫も言ってやれ! 無駄だってな! ん? やっぱり寒気が。風邪かな?


 【クエスト:ソラリオース家を壊滅せよ!】


 え? 何これ。クエスト? ソラリオース? ホワイ?


 「タロウ、クエストが発生した。ガンバ」


 「ふっざけんなよ! 明らかにお前が発生させたじゃねーか! 無効だ無効!」


 「それは無理。どちらにせよ、この屋敷を訪れた時点で詰み」


 「いや、だってそれはケンが――」


 まさか! 俺はケンを睨みつける。

 バツが悪いのか、ケンは下を向いたまま動かない。


 こいつ! 仲間になりたいって言ってきたのも、この屋敷に案内したのも、すべて計算か! クソッタレ!


 「クエストを達成しなければ、次へは進めない」


 羽虫の言葉は、いつも俺を絶望させる。どんな罵倒よりも、心に傷を負う。誰か、俺を慰めてくれまいか。

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