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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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24/59

仲間になりたそうな目でこっちを見ている。仲間にしますか?→いいえ。

 さて、天気もいいことだし、街を見て回ろうかな。そう言えば、こっちに来てから雨が降ったためしがないな。羽虫的に言えば、そういう仕様なのだろうか? でも、これだけリアルを追求してるんだし、あの主の性格からして、四季折々すら実現させそうではある。


 「アニキ! 俺を一緒に――」


 後、鑑定がないってマジ? どうやって悪人を見分けんのよ? 見た目で分かれってことなんかな? いやー、キツくない? サイコパスほど見た目が普通なんだよな。


 「アニキ! 俺は――」


 鑑定がないって事は、ステータスも分からないって事? どうしてんの、冒険者。文字通り当たって砕けろを実行してんの? だとしたら、一回でも生きて帰ってきた奴は、相当な畏怖と敬意を払われそうだな。おっかねぇ、近寄らんとこ。


 「アニキ! 俺――」


 でもなぁ、俺がレベル上げに励もうとするならば、冒険者ギルドは避けて通れないんだよなぁ。俺が殺せるモンスターなんていないから、冒険者ギルドのお使いクエスト的なもので経験値を上げるしかない。あるよね? なかったら、本格的に詰むんだが?


 「アニ――」


 そもそもな話、ゲームのクリアって何を以てしてクリアになるの? 羽虫はそれも見つけるのが冒険とか抜かしやがったが、それは余裕があるから出てくる台詞だよな。

 俺以外のプレイヤーは、初期ステータス1000が普通だっけ? チートかよ。そりゃ、ゲームを楽しめますわ。だって、1000って言ったら、あのワイバーンと互角って事でしょ? しかも、プレイヤーはステータスを確認出来るらしいし、勝てなさそうだったら逃げれば良いだけだもんね。楽勝ですわ。


 「ア――」


 もしかしなくても、この世界って魔王いる? いたら嫌だなぁ。魔王じゃなくても、モンスターがいる時点で、それを統率する存在がいることは肝に銘じておかなければ。誰か他のプレイヤーがぶっ殺してくれないかな。まあ、魔王なんて居ても、近寄らなければいい話なんだけど、もし、もし仮に、俺のゲームクリア条件が魔王討伐だとしたら、終わる。色んな意味で。

 プレイヤー毎にクリア条件が違うってのも、ややこしいんだよ。でも、待てよ。それは言い換えれば、競争ではない事を暗示していないか? だとしたら、協力できる? 俺がクリアするのに必要なのは、プレイヤーを探して仲間にする事か?


 「――」


 「うっさいんだよ、さっきから! こっちは今、色々考えてんの!」


 「ご、ごめん、アニキ。でも、どうしても聞いてほしくて」


 「あのさぁ、アニキって何? 君とそんなに親しくなった覚えはないんだけど」


 むしろ、殺されかけた恨みの方が強いんだが?


 「俺がそう呼びたいんだ! アニキは俺の憧れだから!」


 何いってんだこいつ。頭を強く打ったか? 記憶失くしてない? お前、俺をボウガンで撃ったよね?


 「ごめん、意味がわからない。それより早く仕事に戻りなよ」


 「兵士は辞めてきた! 俺はアニキに救われたから、今度は俺が恩を返す!」


 マジで何いってんだこいつ。兵士を辞めた? はぁ? バカだとは思っていたが、ここまで酷いと笑えない。


 「恩なんてないから、早く兵士に戻りなさいよ。つうか、戻れよ」


 「嫌だ! 俺はアニキの為に働く!」


 「うるせぇバカ! こっちは遊びじゃないんだよ!」


 「俺だってそうだ! ジークを殺す為だけに生きてきたんだ! それをアニキが殺しちまったから。責任取ってくれよ!」


 あぁ〜、俺が女性に言われたいトップ5をぶち抜きやがったよコイツ。責任取ってよね! なんて、女の子から言われたかったわぁ。

 それでジークって誰だ? まぁ、俺との関係なんてジジイしかいないから、それで確定なんだけど、ジーコじゃなかったっけ?


 「あのジジイは成り行きで殺しただけだ。だから、被害者の為なんてこれっぽっちも考えてない」


 「流石だアニキ! 痺れるぜ!」


 痺れてんのはお前の思考回路だろうが。どこに流石の要素があった? 自分で言うのもなんだけど、成り行きで殺すって、ただのやべぇ奴じゃん。


 「いや、本当に勘弁して。俺に付いてきたって、死ぬだけだぞ?」


 「死ぬ覚悟なら、疾うの昔に出来ている!」


 武士かな? あぁ、目がバッキバキだよコイツ。俺をボウガンで撃ち殺した目をしてやがる。


 「ア、アニキ! その小さい人間は何ですか!? なんか、翅で飛んでるけど」


 はぁ? そりゃ羽虫だろうがよ。さっきから俺の横で浮かんで……あれ? 羽虫って見えないんじゃなかった?


 「おいモネ、見えちゃってるよ! ちゃんと姿を隠しなさいよ」


 「隠してる。無問題」


 「いや、だってアイツ見えてるっぽいよ? ほら、今もモネを目で追ってるし」


 「タロウのパーティーに入ったんだから、見えるのは当然」


 「……誰が誰のパーティーに入ったって?」


 「あのバカがタロウのパーティーに入った」


 「許可してねぇよ! 本人の承諾無く勝手に入れるなよ!」


 「タロウの死んでも知らない、との問いに、バカが了承した。契約済み」


 ふざけんなよ! その特記事項を確認させろ!


 「つまり俺はアニキの仲間になったってことですね! よっしゃ! やってやりますよ俺は!」


 コイツはコイツで何を喜んでんのよ。悪魔の契約にサインしたんだぞお前。普通、ブチギレる所でしょうが!


 「はぁ~、埒があかない。もういいや、お前は死ぬ者として扱うからな? 文句言うなよ?」


 「ヘッヘッヘ、アニキ、俺はしぶといですぜ!」


 「お前、名前は?」


 「あ、そうでしたね、名乗ってませんでした。俺はデュラマディゾーグ=イグラシオンと言います! これからよろしくアニキ!」


 「分かった、ケン。後で追々説明してやるから」


 「い、いや、俺はデュラ――」


 「ケン! お前はケンだ。そうだろ?」


 「う、うっす。俺はケンです」


 ふぅ、やれやれだ。危うく俺の少ないメモリに、余計な名前が刻まれる所だった。つうか、覚えてられるか、そんな名前!


 こうして俺は騙し討ちのような契約で、ケン(仮名)を仲間にするハメに陥った。

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