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人生はクソゲーだって? 本当のクソゲーを見せてやろうか?  作者: しらたま


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10/59

あぁ、無情。

 羽虫が働きたくないでござる、なんて事を言いやがるが、俺としては戦闘全てをお任せするつもりだ。

 だって、ステータスオール1だよ? 勝てる訳ないじゃん。


 そういや、ステータスが低過ぎて忘れてたけど、魔法やスキルって俺にもあるのかな? もしかしたら、固有スキルがあるかも。悔しいけど、ワクワクする。


 「モネさん! 俺の魔法やスキルを教えてください!」


 「なぜ興奮? 気持ち悪い。頭ぶつけて死ねばいいのに」


 「酷くない!? そんなに言わなくてもよくない? ただ魔法とスキルを教えてくれって言っただけだよ?」


 「謝罪。気持ち悪かった。他意は無い」


 くそっ! 謝罪してるように見せかけて、本音で気持ち悪いって言いやがったこの羽虫! デコピンでもしてやりたいが、恐らくこの羽虫に殺されるだろう。なんか、平然と殺しそうだもの。


 「……謝罪は受け取った。俺の魔法とスキルを教えてくれ」


 「タロウに魔法は無理。魔力不足」


 あー、魔力ね、魔力も1なんですね……ちくしょう!


 「ただ固有スキルがある。かなりレア」


 キター! マジで? 俺に固有スキルあんの? よっしゃ! 俺のターンがやっときた!


 「コホン、それで? どういうスキル?」


 「どこでもネルゥ」


 「は? 某えもんのマネなんてしなくていいから、真面目に答えて」


 「こちらは真面目。タロウのスキルはどこでもネルゥ」


 いやいやいや、絶対あの主がお遊びで付けた名前だろうが。待って、暑くもないのに汗が出てきた。嫌な予想が止まらない。


 「ど、どういうスキルなの?」


 「そのままの意味。所有者はどこでも寝れる。垂涎の能力」


 お前にとってはな! くそっ! ハズレだ! 大ハズレだ! こちとら戦闘スキルに全力で賭けてたんだぞ! あー、もうどうすんだよ。マジで戦闘は羽虫頼りになっちまうよ。そして面倒だから嫌だと駄々をこねる羽虫を、俺が甲斐甲斐しく尽くす未来が容易に想像できる。最悪だ。


 「ちなみに、他のプレイヤーって大体どんなステータスなの?」


 「初期は1000辺り。レベル上げで万にも達する」


 俺と難易度違いすぎない? それとも俺だけ別ゲーやってるの? 初期で1000って、俺が1000人分だよ? まぁ、俺のステータスで1000人敵として現れても、瞬殺されて終わりそうだが。


 待てよ。レベル上げ、か。


 「このゲームのレベル上げって、何すりゃいいの? モンスターを倒して経験値を稼ぐとか?」


 「大抵はそう」


 「じゃあ、モネが倒したモンスターの経験値は俺にも入る?」


 「なぜ? 入るはずが無い。姫プレイ勘弁」


 「ソウデスネ。ゴメンナサイ」


 入ってもいいだろうが! 一応パーティーメンバーだよね? 姫プレイ? 何が悪い! こっちは文字通り必死なんだよ! お前も強いんだったら、キャリーしてやるくらいの気持ちを見せてほしい。


 「タロウ、時間」


 「え? 時間? 何の?」


 「私の活動限界」


 「へ? いや、疲れることなんて何もしてないよね? それとも、サポーターは皆そういう時間縛りがあるの?」


 「これは私個人の問題。オヤスミ」


 羽虫は言うやいなや、宙に浮いたまま仰向けになる。その周りを正方形の淡い光が包み込む。


 おいおいマジかよ。本当に寝やがった。なぁにが、これは私個人の問題キリッだよ! ただてめえが眠りたいだけじゃねーか! 腹立つわぁ、この羽虫。


 つーか、暗くなってきたんだけど? このまま夜になったらどうすんの? 死神君が来ちゃうよ、俺死んじゃうよ?



 ―――はい、辺りは真っ暗になりました。

 羽虫を囲ってる正方形が、やたらと眩しく見える。


 きたぁ! 死神君が来たぁ! ヘルプミー羽虫さん!


 「おーい! モネ! 起きて! 死神君が襲ってきた!」


 俺は正方形をバンバン叩くが、まるで効かない。むしろ、こっちの手が痛い。羽虫は相変わらずスヤスヤだ。


 クソっ! だったら、羽虫を盾にしてやる! さぁ来い、死神君! 君にこいつの護りを破れるかな?

 俺はサッカーボールサイズの正方形を、首元に近づけた。


 すると、ガキッ! と音を立て、死神君の鎌が弾かれた。


 マジかぁ。この正方形、どんだけ固いんだよ。


 ちょっとドン引きしている俺を、死神君は見逃してくれなかった。

 俺のがら空きになっている胴体を、キレイに掻っ捌いた。



 【DEAD END】

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