表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

【目が、逸らせない…。】

 私は今、なにをているのだろう?


 を、らしたいのに……。




【目が、逸らせない…。】




 それは、30分ぐらいまえさかのぼる。


 ママが、人を殺した。

 その内容だけでも、いまだに理解りかいいていない。


 ……なのに。

 其処そこへ、現在げんざいママは留置場りゅうちじょうる為、家に不在ふざいという情報のち。



「じょっ…冗談、でしょ? 」



 私の質問に、男の子はするど目付めつきを此方こちらに向けて、にらんでくるだけだった。



「っ…」



 ……もし。もし、彼のとおりだとしたら、ニュースなどさわがれているはず。それなら、ワックでの店員さん達の態度たいど理屈りくつとおる。


 ママが、人を殺した情報は、うそであってほしい。だって、“別の世界線せかいせんだとしても、ママには変わりない”のだから。


 スマホをし、電波でんぱ受信じゅしんが出来ている事を確認かくにんすると、ママ…【如月きさらぎノア】を検索けんさくした。

 ママは、ネットで本名をしていないため、検索にかるはずがない。

 だからーー



 [友人関係のあいだになにが!? 如月ノア容疑者と風間マリ被害者の知人ちじんかたる! 二人のなかとは…? ]


 [事件前の如月ノア容疑者の私生活しせいかつ!? 近隣住民きんりんじゅうみんに聞いた! 彼女の素顔すがおせまる!! ]


 [確実な証拠しょうこ減刑げんけいむずかしい? 如月ノア容疑者がこした事件に、現役げんえき弁護士が判決はんけつを予想!! ]



 ママと、同姓同名どうせいどうめいの人物の事件をげたニュースと思われるサイトが、いくつかヒットした。



「っ…」



 ………偶然ぐうぜんだ。

 ママと、同姓同名の人物が、事件をこして、それで…。



 “俺は、【風間かざまマコト】。お前の母親によって、命をうばわれた、風間マリの息子だ”



 ……………。



「……私、おぼえるのが苦手で…そのっ……君の名前、もう一度、教えてもらえないかな? 」


「………か・ざ・ま・マ・コ・ト」



 一字一句いちじいっく明瞭めいりょうに教えてくれた男の子…マコト君に、私は有難ありがとう、と返す。


 ママと同姓同名どうせいどうめいの人物がこした事件の被害者のは、【風間マリ】さん。“二人は友達だった”と、検索けんさくかったリンクさきのタイトルに書かれていた。


 ママから聞いた、大切で大好きな友人はたしか…【マリ】さん、という名前だった。


 そして、被害者の【風間マリ】さんの息子だと名乗なのるマコト君。


 彼は、私のママが、【風間マリ】さんの命をうばったと言ってて…。

 ーー友人を殺害した【如月ノア】容疑者は、同姓同名どうせいどうめいではなく、ママであるのは間違まちがさそうだ…。


 ……。


 ……………。


 …………………。


 ーーそういえば…!


 ヒットしたサイトのひとつに、“確実かくじつな証拠”というワードがはいった、タイトルのものがある。

 私は、そのかるワードが入った、タイトルのリンクさきひらいた。



「……動画…? 」



 サイトは、記者と現役弁護士の対談形式たいだんけいしき記事きじ内容。その中に、とある動画が、この事件の大きな証拠というてんから、無罪はむずかしいだろうという事だ。



「マイチューブ」


「……えっ? 」


「お前の世界線せかいせんにはねえの? 【マイチューブ】っつぅ、一部いちぶのコンテンツをのぞけば、無料で動画をアップロード出来たり、視聴が出来る、コミュニティサイト」


「! ……此処ここでも、同じ名前のコンテンツなんだあ♡」



 すごいッ!! ……って、感心かんしんしている場合じゃないッ!!!



「えーっ、とぉ…」



 検索けんさくで、[すべて]から[動画]だけにしぼむと、【殺人現場の瞬間しゅんかん】というタイトルが、一番上に表示ひょうじされた。


 いつもの私なら、興味がいたとしても、そういったタイトルや、リンク先の内容の一部が表示されたモノは、開かないよう心掛こころがけている。

 釣りだったらイイが、リンク先に行ったら、端末たんまつがウイルスに感染かんせんして、はいっている情報が流出りゅうしゅつしてしまったらかえしがつかないし、もしタイトルや内容の一部通いちぶどおりのモノだったら、自業自得じごうじとくとはいえ、心に傷をってしまうおそれが高いから、興味本位で無闇矢鱈むやみやたらにサイトをひらくなと、ネットの恐怖をこれでもかと、耳に胼胝たこが出来るぐらいに、パパとママから口煩くちうるさく言われて、そだってきたから…。


 だけど、現在いまの私は、なにかにみちびかれるように、その動画のリンクさきを開いていた。



「ッッ…」



 そして、冒頭ぼうとうでの、“目をらしたい”はずの動画を視聴するというながれにいたった。

 投稿者不明(ふめい)でアップロードされた、ママが女性を、包丁で刺す瞬間が、バッチリうつんだ内容の動画が。



「この動画な。本来ほんらいなら、マイチューブの利用規則りようきそくで考えれば、削除されてもおかしくないんだが、何故なぜいまだにされてないんだ」



 淡々(たんたん)と、何処どこかに感情をわすれたみたいな声音こわねで、マコト君が言った。



「内容が内容だから、消されると思ってたやつたみたいでな。動画を保存ほぞんして、他のサイトで転載てんさいしてんのが、結構けっこうある」


「っ……」



 どれぐらいの時間がったのだろう? そらが、若干暗じゃっかんくらくなりつつあるのを感じる。

 それなのに…。


 ネットじょうにあがって以降いこう拡散かくさんされ続けているという動画に、はなす事が出来ずにいた…。




【〜投稿者不明の動画〜】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ