分岐3【親の心子知らず】
本編にしたかったのですが、『恋愛描写を仄めかすタイミングは今じゃない』という理由からボツにしました…。。(>人<;)
気に入ってるので、先に仕上がったコレを、本編よりも先にあげさせていただきます‼️(`・ω・´)❤️
ジリリリリリリリリイイイイィっっ!!!!!
……カチャッ
「……」
「……………」
「…………………………ッ!? 」
寝惚けた状態の為、ふらふらした足取りの侭、リビングへと向かう。
戸を開けたら、朝御飯を作っているママが居て…それで、私が部屋に入ってきたのが、わかるとーー
「お早う」
「…あ……おっ…お早う、パパ…」
普段、会社に遅刻しないギリギリの時間まで寝ているパパが、こんな時間から起きている事に、そんな筈ない…そんな筈ない…と思いながら、台所の方へと向かう。
台所には、ーー誰も居なかった。
「……」
昨日の出来事が現実なのだと、思い知らされる…。
………。
…………………!
じゃ…じゃあ……外に出れば、家の近くで待機している報道関係者の人達が、昨夜みたいに追っ駆けてくるの?
「ハナ。今日は、学校休め」
「!? ……えっ…? 」
肩越しに振り返ると、朝御飯を食べているパパが此方を見ずに、「学校を休みなさい」と言った。
…聞き間違いではなかったらしい。
「…なん、で? 」
「昨日、疲れただろ? 」
「っ………パパは? 」
「……えっ…? 」
「パパ“も”、疲れてるでしょ? その状態で、パパが仕事に行くのなら、私も学校に行かないと! 」
「……………わかった。午前は、休むよ」
「…えっ?! 」
「“午前だけ”、な? だから、ハナも今日は学校を休みなさい。…で、マコト君が1時ぐらいになったら帰ってくるそうだから、“いつもの公園”で待っててくれ、との事だ」
「!? …えっ…? なっ…なんで、マコト君?? 」
「…風間さんにお礼の電話を掛けた時に、今日2人が遊ぶ約束してる事を聞いたんだ」
「………」
ねえ、パパ。私…私ね……貴方の娘であって、娘じゃないの。“別の世界線”の、【如月ハナ】なんだよっ!!
「ハナは……マコト君が、好きか? 」
「!? ……えっ…? 」
「あっ…いやっ……不躾な質問をして、すまん。只…もし、“恋愛としての好き”なら…そのっ……諦めて、もらえないか…? 」
マコト君に対して、恋愛感情は無いし、というか思い入れ自体がないから、わかった、とその話を受け入れる事は出来る。
……でも、“別の世界線の私”ではなく、“此処の世界線の私”だったら、受け入れるのだろうか?
「…如何して? 」
「………」
「如何して、諦めなきゃ駄目なの? 」
「っ……」
「…言わなきゃ、わかんないよ」
「ッッ………察してくれ…」
「パパの馬鹿っっ!!! 」
リビングを飛び出して、自分の部屋へと駆け込む。
鍵を掛けて、諦めなきゃ駄目な理由を聞き出すまでは、長丁場の立て篭もりになりそうだな…と考えていると、私の名前を呼ぶパパの声が聞こえてきた為、施錠せずに布団の中へと潜り込んだ。
『ハナっ…わかってくれ』
「嫌だっ! 」
『ハナ…』
戸越しに、パパが溜め息を吐いたのが聞こえた。
『……………俺は、ハナに、幸せな人生を歩んでほしい、と、思ってる』
「………えっ? 」
思わず布団を抜け出して、戸口へと近付く。聞き間違いではないかを確認する為に。
『だから…結婚を反対し続けたとしても……最後には、ハナが選んだ人間だから、と…結婚を認めるんだと思う』
「………」
まだ結婚出来る年齢じゃないよっ! とツッコミを入れそうになったが、喉元で留めた。……水を差してしまうから…。
『マコト君なら、ハナを幸せにしてくれる…と、思う』
「だったら、如何して反対するの? 」
戸を開けて、パパの顔を見た。
パパはーー今にも泣きそうな顔で、私を見ていた。
「パパ達が認めても、世間が許してくれないからだよ」
そう言って、続きを口にするか悩んでるっぽいパパは、黙り込む。
ーー世間が、認めてくれない…?
結婚に、世間は…ご近所付き合いなら、関係ありそうだけど……。
「パパ…? 」
「っ……被害者の息子と、加害者の娘が結婚。そんな関係性のカップルを、報道関係者はほっとくと思うかい? 」
「!」
「ッッ…俺や風間さんが元気な間は、お前達二人を守ってやれる。でも……事件の事を忘れてる人間が多くなっても、“お前達二人が一緒”ってだけで、報道関係者は、面白おかしくネタにして、お前達の家庭をめちゃくちゃにしてくるだろう…」
俺は、そんな未来が訪れるのが耐えられない…と言って、パパは此方に背を向けた。
「すまない、ハナ。お前達の気持ちを、守ってやれなくて……」
「っっ………」
謝らないで、パパーーそう口にしたいのに、言葉が出てこなかった。
パパの背中が、なにも言うな、と語っていたから…。
【〜最愛の娘の幸せを願う、優しさが不器用な父親程、損な役回りを担う事が多い。〜】




