並行【優しい夢】
本編のハナが、【マコトの存在する世界に来た】のなら、『“元々居た世界”に、ハナは居なくなってしまうのか?』や、『“マコトの存在する世界”のハナは何処に行ってしまったのか?』についての番外編です(`・ω・´)
※【マコトの存在する世界】のハナちゃん視点
………。
……………。
…………………………。
……………普通に、買えた……。
いつもなら、「よく、外を歩けるよねぇ」等の悪口を言われ、注文の受付を断られるのに…。
それに……ラッキーセットの玩具が、【リラックモンスター】だったっけ? …まぁ、すっっっごく、嬉しいケド♡
店員さんの態度も、優しくて……。店内で泣きそうになったが、なんとか堪えて商品を受け取ると、その足で店を後にした。
「ッッ……うっ…」
後もう少しで自宅に辿り着くというのに、目頭が熱い。
向けられる沢山の好奇な眼差しと冷遇に、少し…ほんの少しだけ慣れようとしていた処に、先程の自分に向けられた優しい対応。嬉しくて…嬉し過ぎて、泣きたくなったのだろう…。
でも、今は駄目だ! 誰に見られているか、わからない。
泣いてる私を慰めるフリをして、ママとおばさんの関係性を取材しに、マスコミが声を掛けにくるから…。
…泣くな! 泣くなッ!! 泣くなアっっ!!!
己を奮い立たせて、滲み出る涙をこれ以上出さない様に、目を見開いて、顔を少し上げる。
ハナちゃんは強いコ…ハナちゃんは強いコ…! ハナちゃんは強いコっっ!!!!
足を止めず、“誰も居ない自宅”へと向かう。
ーーママ…何で……?
ーー二人とも、仲が良かったじゃん!!
ーー私が入り込めない二人だけの空気があって、それが羨ましくも、ママを取られて悔しくて…。
「……あれ…? 」
自宅の玄関ドアが見えた時、カレーの匂いがしてきた。それによって、お腹がぎゅるるるる…と鳴り出す。
「パパ、帰ってきたのかなぁ」
チャイムを押すと、足音が此方へと近付いてくるのが聞こえた。それは段々と近付いてきて、鍵を開錠する音が聞こえたと思ったら、ドアが開く。
「………えっ……」
………嘘……。だって…何、でっ…。
「留置場に、居るんじゃ…」
「……へっ?りゅうち、じょう…? 」
首を傾げる女の人は…外見や雰囲気を似せ、家に忍び込んだ人とかではなく、“私の知るママ”だ。
ーーママ……帰って、きたんだ…
「ママ、お帰りっっ!!!! 」
思わずママに抱き付く。それに、「えっ? ハナちゃん!? 」と、ママの狼狽えてるっぽい声が聞こえてきた。
あの事件をキッカケに、ご近所さんや学校での余所余所しい態度。
店での、「早く帰れ」と促される、冷ややかな対応。
それ等をこれ以上酷くさせない為に、なるべく感情的にならず、普段通りを装って対応してきたが、心はもう限界で…。
ーー夢だったら、まだ覚めたくないなぁ…
ねえ、ママ。私ね…ママが大好き♡それで、おばさんの事も好き♡だから…だからこそ、ママがおばさんを殺した事が、未だに信じられないの…。
「ママ…」
「んー? 」
「っ……うんん。なんでもない…」
ーー優しい夢…。優し過ぎて……
【〜現実に帰りたくないなぁ…。〜】




