表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/55

異世界巻き込まれ転生

強い光が閉じたまぶたを強引に押し開けて史朗の意識を引き戻そうとしていた。そんな形容が似合う辺り一面真っ白な空間に白いローブを着た初老の男性と、その面前に白神山地の森の中にいた銀色の毛に蒼い眼をした犬と、その足元に横たわる史朗が居た。

夢か現かの区別もつかないもうろうとした記憶の中に、遠くから聞こえてくる声があった。

アストラ「無事じゃったか、フェンリルよ。して、彼奴は何者かの?」

フェンリル「この方は、私が飛ばされた世界で襲ってきた熊にあわや命を落とそうというところを助けてくれた方です。この方が居なかったら、私はあの世界の露と消えていたでしょう。」

アストラ「で、どうするのじゃ。お主は元の世界に戻るとして、その足元に居る者は、先の世界にて死んでその魂だけのようじゃが。」


え?死んだ?じゃあ今、俺ってどんな状況?何これ?

ラノベを読みあさり、いつか俺も異世界に勇者として召喚されて綺麗な女性とハーレム冒険者するんだひゃっはー、な厨二病少年と異なり、史朗はドのつく田舎で義務教育だけを終えてすぐに山の中で大半を送る生活のため、異世界転生?何それおいしいの?というちょっぴり昭和テイストの未成年だった。


フェンリル「そのことですが、アストラ様、なにとぞ私の命の恩人であるこのお方に再度の人生の機会をお与え頂けないでしょうか。私を庇い、その命を助けてもらったがために、自らの命を投げ出してしまわれたこのお方に私は何の恩も返せておりません。私は、この方を主と定め、側に寄り添いとうございます。」

アストラ「なるほどのう。あい分かった。お主には元居たワシの世界に戻ってもらわんと、パワーバランスが保てなくなるのじゃ。そこの者も同じ世界で新しい人生を歩むがよいぞ。ただし、よくある異世界転生ストーリーのような、『え?もしかして勇者召還キタ?チート?ハーレム?』とかいうのはなしじゃ。そもそもワシの眷属であり、世界のパワーバランス調整の役を担うお主を従魔とする時点で過ぎたるチートじゃ。まあ、それでも今のお主は魔素のない世界に飛ばされて大分本来の姿とはほど遠い状態じゃしの、しばらくは完全な能力も発揮できなかろう。その間に何かあっても困るしの。一応よほどのことがない限りは生活していける程度の加護は授けよう。あーあと、先ほどのはフラグではないからの。よほどの出来事なぞ起こらんぞ。」


こうして史朗はラノベにありがちな巻き込まれ転生によって創世神アストラの創造した世界アストレアで第二の人生を送ることになったのであった。

そこは剣と魔法のファンタジーな世界、都会のネット文化に毒された厨二病患者なら泣いて喜ぶ、魔法が使えて俺TUEEEな世界である。


マタギ・シロー

男性 19才 職業マタギ

生命力  そこそこある。

体力   かなりある。

敏捷性  結構ある。

魔力容量 人並み?

肺活量  人外

技能 鉈と鎌を少々

   属性のない魔力を圧縮した弾丸を専用の杖(じっちゃの形見の銃)で射撃

生活魔法 属性を持つ攻撃魔法は不可

隠密行動 獲物に気配を察知されないように射程距離まで移動することが可能

賢者の知恵(鑑定)

異世界転生者お約束技能の一つ、異なる文化で生きてきた者へ、転生先の森羅万象について元の世界の知識に変更して伝える能力。但しRPGのような魔物の弱点属性だとかヒットポイントの総量や残量を表示するとかいうゲーム要素はない。ステータスオープンとかも作者の年齢ではちょっと痛すぎて採用出来ない。

言語変換 転生後の世界ではなぜか当たり前のように日本語でシナリオが展開していくが、言語変換先生が良い仕事をしているから。

気配察知 握った右手を右の耳に当て、「おっきくなっちゃった」と詠唱して開くことで、一次的に右の耳の聴力が増加する。創造神アストラによる悪ふざけ技能付与。連続して使用出来るのは3回までで、一発芸のような効果の発動が原因で、繰り返すごとにテンションが下がり、効果が下がる。なお、フェンリル以外にパーティーメンバーが居る場合には一度しか使えない。2回目以降は恥ずかしくて出来ないらしい。

魔法回避 初級攻撃魔法なら一度、中級攻撃魔法なら二度、上級攻撃魔法なら3回見ただけで、その魔法の本質を理解し、以後攻撃を無効化する。アストラによる悪ふざけ技能。どうやら出自は主人公によく似た名前の手品芸人らしい。

限界突破 若者の可能性なんて無限大さ。天賦の才にかまけて努力しないでスキルだのチートだのちゃんちゃらおかしいわ(by アストラ)

 装備 リバーシブルジャケット

    元々はゴアテックスだが、アストレアにはない素材のため、アストラが魔改造。防水透湿の竜の血管で出来ており、表はサファイアブルー。裏返すと迷彩模様となり、気配遮断の付与、防汚機能付。迷彩を来ている限り、実力上位者による「看破」によらなければその姿を捕らえることは出来ない。破壊不能、譲渡・廃棄不可

    竜皮のパンツ

    透湿性に劣るものの、強靱度は間違いなく現存する最強の素材。ミスリルの剣で切りつけられても下手をすれば剣が刃こぼれする。それより強度のない武器はむしろ武器が破損する。

じっちゃの形見の銃(銃弾型フォースバレット専用杖)

アストラにより、転生先世界用に仕様変更されたマタギ御用達の銃

火薬と銃弾は存在しないので、使える形に変更

    マタギの背負子

    異世界転生者は元の世界から転生前に、亜空間を経由することから、なぜか、亜空間へのアクセス手段が残存し、収納として利用出来ることになる。その容量も亜空間が一つの世界として存在しているため、ほぼ無制限収納可、ファンタジー小説にありがちな能力

    なおお約束として生命体は収納出来ない。専ら倫理的な理由で

鉈(伐採用)枝を打ち払う鉈、攻撃用ではないが、護身のために使用することはある。業物

鎌(採取用)山野草の採取のための道具、同じく攻撃不可、業物

地下足袋 マタギ御用達、地面の変化を瞬時に足裏に伝える足専用装備品

アストラの魔改造により、ソールはいかなる営利な針さえ通さず、それでいて長時間の歩行にも地面からの衝撃を全て吸収するという謎素材で出来ている。破壊不能、譲渡廃棄不可装備、防汚機能付で主人公の永久装備


 従魔 フェンリル

 主  マタギ・シロー

 名前 多分この後シローが付ける予定

 生命力 とても高い

 体力  無尽蔵

 敏捷性 音速以上光速未満

 攻撃力 真竜以外はほぼ一撃

 防御力 全部回避しちゃうから測定不能

 魔力  たくさん

 技能 噛み付き、切り裂き、全属性魔法

 但し、魔素のない異世界に転送された影響で、幼生の状態、成体に戻るまで完全な能力発揮は不可能


 アストラが手をかざすと、フェンリルとその足元に居た史朗を光が包み込み、そして光に吸い込まれるように消えていく。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ