第6話 二人の夜
今回は少し短いです。
申し訳ありません。
学院から帰ってきて夕食後の一時。
クライスの部屋にエリスが来ていた。
「ねぇ、どうするの?」
「どうするとは?」
「新メンバーの事だよ。メリダさんに決まりそうだけど、クライスはそれでいいのかな~って。」
えっ!?良いも何もエリスが推薦したんじゃないか。どういう事だ?
「エリスの推薦だから別に気にしてなかったけど・・・・、もしかして嫌なのか?」
「う~~ん、そうじゃないんだけど・・・・。」
エリスが暗い顔して俯く。
何だろう?何か悩みあるんだろうか。
「一体何が気がかりなんだ?」
「え~~と、メリダさんって結構美人なんだよね?」
「だから、どうしたんだ?」
「クライスはメリダさんを見たらどう思うのか考えちゃったらちょっと・・・・。」
あ~~~~、俺がメリダさんを見て惹かれるのが嫌なのかな。
流石に、俺でも解る位に動揺されたら逆に恥ずかしいんだが。
「安心して大丈夫だぞ。俺はエリス以外の女性は興味ないからな。」
「えっ!?本当に?」
「いや!!嘘言ってどうするんだよ。」
俺がそう言うと顔を真っ赤にしてこちらに顔を向けるエリス。
お互い、見つめ合いながら時間が経過する。
徐々に近づいていく距離。
エリスは目を瞑り頬を赤らめ身を任せてくれるみたいだ。
「エリスさん、お部屋に居ますか?」
不意に隣のエリスの部屋の前でルーシアさんの声が聞こえる。
俺達は身体を強張らせて先程の雰囲気から意識が引き戻される。
「え~~と・・・・。」
「ルーシアさんに呼ばれちゃったね。ちょっと行ってくるね。」
そそくさと、俺から離れて部屋を出て行こうとするエリス。
その時、不意に振り返る。
「さっきの言葉信じてるからね。」
満面の笑顔で俺の言葉を信じると言うエリス。
直ぐに、ドアに手をかけ廊下に出ていく。
「ルーシアさん、こっちです。どうしましたか?」
「あら、クライスさんの部屋に居たんですか?あっ、もしかしてお邪魔でしたか?」
「も~~、何言ってるんですか?それでどうしましたか?」
「ええ、ちょっとエリスさんに手伝って欲しい事がありまして。」
次第に廊下から遠ざかる二人の声。
その声を聞きながらベッドに身体を投げ捨てる。
「あ~~~、もう少しだったな。しかし、信じてるか。その言葉にはしっかり答えないと!!!」
俺は天井に掲げた拳を握り、自身の想いを再確認するのであった。
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