第231話 終局 Ⅵ
沈黙の時間が流れる。
その時間はどれくらいだったか。
短くもあり長くもあった。
誰一人としてリリカの言葉を理解するのに時間がかかった。
そして、一番早くに理解したのは提案を受けた『アンリ』であった。
「ああ、成程成程。なにがしたいか理解できたぞ。」
「ご理解いただけたようで。」
「しかし、その程度で通せるものか?」
「そこは私にお任せをとしか言えません。しかし、第三王女として、また一人の人間として貴方様と軽契約いたします。」
「そうか・・・・・・・・・・・、よかろう。全て任せる。しかし、失敗した際にはどうするつもりだ?」
二人の話し合いは周囲を置いて進む。
その中で『アンリ』は失敗した際の代償を求めてきた。
それに対してリリカは困惑した表情で答える。
「そうですね・・・・・・・・。失敗は考えていませんでした。まず、失敗するとは考えていませんでしたから。う~~~~~ん、どうしましょうか?」
リリカの答えは『アンリ』の笑いを誘った。
「はっははははははは。失敗を計算に入れていないと?これは何と豪胆な。良いだろう、言う通りに魔力を込めるとしよう。それで人形はどうするのだ?ああ、時間もあったな。時間は5日程持てばいいか?」
笑いながらリリカの提案に乗る『アンリ』。
その言葉を待っていたと言わんばかりにリリカも微笑む。
「人形はお任せください。すぐに準備します。」
リリカは椅子から立ち上がり優雅に礼をする。
その姿は見る者全てを魅了する優雅なものだった。
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