第229話 終局 Ⅳ
「『アンリ』様、貴方はこの国に対して思うところはございますか?」
「?」
リリカの唐突な質問。
それの質問内容にクライスは驚いた。
普段のリリカらしくない。
今の質問は下手をすれば『アンリ』の機嫌を悪くするような言いようだった。
しかし、『アンリ』本人はさらりとそれを受け流す。
「思うところか・・・・・・・・・・・・、別に何も。『アフラ』の行いに対しては思うところはあるが『アフラ』の行動原則は狂っていた。天災と思うしかないだろうな。我自身は最早何も考えたくはないな。神という厄介な柵からも解放されたただの人間に成り下がったのだから。この国に焚いてこれ以上の迷惑は掛けないようにするつもりだが。それではダメなのか?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
『アンリ』の回答にリリカは静かに眼を瞑る。
無言の時間だけが過ぎていく。
周囲の人間も当事者であるクライスも何も言えない。
リリカの考え事が終わるまでは。
『アンリ』もそこは空気を読んでいるのか静かに眼を瞑り立つ。
「ふぅ・・・・・・・・・。」
リリカが小さく息を吐く。
長い長い思案が終わったようだった。
そして、リリカの出した答えは全員の驚愕を誘うのであった。
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