第226話 終局 Ⅰ
クライスは倒れたままのエリスに近寄り抱き起す。
『虹彩刀』で斬ったのは初代の魂。
エリスの身体には傷一つなかった。
「意識は戻るのか?」
『アンリ』が腰に『虹彩刀』を差して声をかける。
「戻らないと困るんだが・・・・・。恐らく今は意識を沈められていたから覚醒に時間がかかるんだろうな。」
「ふむ、そうか・・・・・・・・・。それで貴様はこれからどうするのだ?」
「はっ?どうするも何も皆の下に帰るだけだぞ。それこ『アンリ』はどうするんだ?」
『アンリ』の言葉にクライスは素直に返答する。
この戦いが終わったのだ。戦闘が終われば家に帰って休む。
当たり前のことを口にして歩き始めるクライス。
その後ろを『アンリ』は静かについて歩く。
そして、クライスの質問に『アンリ』は困ったかのように答える。
「神子の隠れ里に赴くとしよう。しかし、行き方が判らん。故に、貴様についていき如何にかしてもらおう。」
「はぁぁぁ!?・・・・・・・いや、そうか、そうするしかないのか。はぁぁぁ・・・・・・・・・・、頼むから何もしないでくれよ?」
「神の権能を失った我に何ができると?ただの人なのだろう?」
「そんなわけあるか!!魔力だけなら普通に最強クラスだろうが!!」
『アンリ』の能天気さに苛立ちを覚えながらも歩みを止めないクライス。
今は一刻も早く仲間の下に行きたかった。
そして、暫くの後クライスは無事に仲間である王女一行と合流するのであった。
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