第38話 騎士団紹介 後
「続きまして、私自らが護衛騎士達を紹介したいと思います。先ずは護衛騎士団隊長であるガイン卿、立ちなさい。」
「はっ!!」
ガインさんが立ち上がりリリカ様を見据える。
その後に身体を反転させ貴族の皆様に向き直る。
「次に副団長、ミア卿」
「はい。」
次にミアさんが立ち上がりガインさんと同じ様に行動する。
その後は次々と団員が紹介されていく。
そして、7人が紹介されていき次は俺達の番になった。
「次は、私の後ろにいますがエリス卿。」
「はい!!」
エリスはリリカ様の後ろから前に周り皆と同じ様に行動する。
「最後に、クライス卿。」
「はい!!」
俺もエリスに倣ってリリカ様の前に周り立ち一呼吸置いて向き直る。
貴族達の前に9人の騎士達が並ぶ。
「この9人が私の護衛騎士団員となります。護衛騎士団の名前は九尾の守護者です。この9人は私直属の独立した護衛部隊として国王より許しは出ています。」
貴族達に向けて俺達の所属と立場を明確にするリリカ様。
貴族達も俺達を見定める様に見つめてくる。
見定められてるな・・・・。団員の殆どが2つ名持ち出し仕方ないのかな。
貴族の方たちは皆が清廉では無いのは分かっている。
中にはウース辺境伯みたいに俺達の事を真剣に考えている方々もいる。
しかし、パウル侯爵の様な貴族も少なからずいる。
まぁ、俺はリリカ様に言われるままに貴族と付き合うしか無さそうだけどな。
俺は心の中で今後の事を考えながら静かに立ち尽くすのみだ。
「さて、騎士団員の紹介は以上です。今現在は騎士団としての活動はしておりません。今後、私の公務の護衛をメインに活動していく予定です。勿論、国民の方々の為になる事なら優先順位は変動されます。」
「もし、護衛騎士団員に対しての質問があるなら私に直接訪ねなさい。答えられる範囲でなら私が答えます。」
リリカ様の言葉に貴族の方々は困惑している様だ。
リリカ様に直接訪ねる。それは、普通に貴族同士が訪問するより厳重な検査がされるので実質は不可能に近いのである。そもそも、リリカ様は普段は王城に住んでおり、別宅はパーティーや会合などの場合に使われるので別宅にいる方が珍しいのである。
「まぁ、ここにいる団員で素性や素行に問題がある者はいないので問題は無いでしょう。この後は残り少ないパーティー時間を騎士達が同席することをお許しくださいね。」
最後にリリカ様の声色で笑顔で締め括ったのだと感じた。
「リリカよご苦労だった。では、皆ここに居る騎士達の歓迎をしていこうではないか。各々最後まで楽しむが良い。」
国王の締めの言葉で俺達の紹介が終わる。
この後残り少ない時間を貴族達との会談の時間になるが、俺とエリスは引き続きリリカ様の後ろに控えて最小限の会談となることに一安心するのであった。
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