第215話 住む場所と思惑
「さて。説明は終わったな。後はこれからの事だけど・・・・・・・・。」
「我は何処かの森や山の奥でひっそりと余生を楽しむとしよう。神の権能を失くしたこの身体がどのくらい長生きするかも判らんからな。」
「それがいいかもな・・・・・、後はどこにするかだが。」
『アンリ』の提案に賛同するクライス。
そこに意見を挟む先代。
「それなら、隠れ里でいいのではないでしょうか?あそこは私の一族が住む場所。『アンリ』様なら無条件で住むことは可能。寧ろ、来ていただきたいのですが。」
「そ、そうか。あそこなら。」
「巫女の一族の里があるのか?そこならありがたいが。」
クライスと『アンリ』は先代の意見に眼から鱗の状態だった。
確かにエリスの祖母のいる里なら世間と隔絶されている。
また、あそこに住んでいるのは『アンリ』を信仰する一族。
これだけの好条件は探しても類を見ないだろう。
故に、クライスには懸念が生まれる。
「あんたはどうするつもりなんだ?もちろん、一緒に行くというのは無しだぞ。」
「っ!!」
クライスの言葉にエリスをの身体が硬直する。
正確には先代の反応だ。
眼を細めるクライスは自らの考えが当たっていたと推測した。
「あんた・・・・・・、エリスに身体を返すつもりがないだろう?」
クライスの言葉に先代はエリスの顔を青ざめるのであった。
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