第213話 懐かしき時間
「うっ、ううん!!二人の言い分は判った。故に、その様な剣幕で近寄るでない。」
「「えっ!!」」
『アンリ』に言われて自分達の距離感を思い出した二人。
驚きですぐに距離をあける。
「申し訳ございません。」
「ご、ごめん。」
「いや、我に対してなのだが・・・・・・。」
二人はお互いに物凄い勢いで頭を下げ謝罪を繰り返す。
そんな二人は『アンリ』を置き去りにしていることも忘れる。
そんな二人に『アンリ』は小声で突っ込む。
そして、二人が落ち着くまで見届けるのであった。
「本当にすいません。」
「大変失礼いたしました。」
二人して地面に座り土下座を行う。
流石の『アンリ』もこの二人の行動には呆れを通り越して苦笑いしか出てこなかった。
「我としては過ぎた事なのでもうよいのだが・・・・・・・・、いつまでも引きずるでない。」
「「はい・・・・・・。」」
「解っていないではないか・・・・。」
二人の反応に右手で顔を仰ぎ天を仰ぐ『アンリ』。
しかし、その表情は笑みを浮かべていた。
場所が最悪だが、このような時間は何時ぶりだろうか。
悠久の時の中を過ごした『アンリ』にとって懐かしき時間。
それを噛み締めるのであった。
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