第204話 猶予
『さて、話が長くなったな。その『天羽斬』を持って『アフラ』の首を落とすがよい。時間の猶予があるとはいえ長引かせるのはよくない。』
『アンリ』が宣言する。
その言葉の中に不穏な言葉も混じっていた。
「時間の猶予?どういうことだ?」
『その言葉通りだ。今は魂の抜け殻だが、時間がたてば『アフラ』は蘇る。』
「なっ!?」
『アンリ』の言葉に衝撃を受ける。
クライスはおかしいと思っていた。
死んでいる筈の『アフラ』に更なるとどめを刺すことに。
言葉通りなら『アフラ』はまだ死んでいない。
神が簡単に死ぬとは思わないが神と神の戦い。
例外があるものだと思っていたのであった。
「時間はどれくらい残っているんだ!!」
クライスが困惑を示す。
『アンリ』の言葉通りなら時間が無いという事。
『天羽斬』を構えながらクライスは『アンリ』に問う。
魔力が回復したからと言って瞬時に神の身体を斬るほどの魔力は練れない。
先程まで悠長に会話していた自分に腹が立つのであった。
『まぁ、落ち着け。今すぐに蘇るわけではない。それこそ、神と人では時の流れを感じる感覚が違うのだぞ?』
クライスの焦りを『アンリ』は宥める。
その言葉にクライスは幾分かの冷静を取り戻す。
「そ、そうか・・・・・・・。確かに言われてみれば。」
『アンリ』の言葉に納得したクライスは『アフラ』の前に立ち魔力を練り始めるのであった。
本作『精霊と混ざりあった少年』を読んでいただき誠にありがとうございます。
『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。
感想もお待ちしています。(メンタルは弱いので誹謗中傷は控えていただけるとありがたいです




