第197話 提案
『さて、改めて自己紹介といくか。遥か昔に存在した神の一柱であり『この世全ての悪』を司る神『アンリ』と呼ばれる存在だ。』
『アンリ』の自己紹介により場の雰囲気が若干だが弛緩した。
『この世全ての悪』と言いながら友好的な存在。
その名とは裏腹に感じる印象が違いすぎて困惑するクライス。
その反面、エリスは静かに佇むのみ。
『番には何やら受けていないようだな?まぁ仕方がないか、印象と通り名が意外過ぎるからな。』
「本人が言ったら説得力があるな・・・・・・・・・。」
『ふっ、そうだな。そう思うぞ。』
クライスの反応を鼻で笑う『アンリ』
自虐に対して何も思っていないのかクライスの言葉を素直に受け止めている様だった。
「それで、俺たちを呼んでどうしようってんだ?」
『簡単な事だ。『天羽斬』を使って我と『アンリ』を斬れ。』
「「はっ!?」」
突然の提案。
何をやらされるのかと思えば自分と『アフラ』を斬れという事。
しかも、エリスから渡された『天羽斬』でだ。
使用者の想いを読み取り姿を変える宝刀。
それで斬り裂く。
しかし、問題があった。
「斬るのはいいが・・・・・・・・・・・魔力が足りない。」
クライスは断りを入れる。
もう自分に魔力が残っていない。
そんな状態で神の身体を斬ることなどできやしないのであった。
本作『精霊と混ざりあった少年』を読んでいただき誠にありがとうございます。
『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。
感想もお待ちしています。(メンタルは弱いので誹謗中傷は控えていただけるとありがたいです




