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精霊と混ざりあった少年  作者: 田舎暮らし
第2章 魔法学院 騎士団設立編
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第35話 中庭での話し合い

大半の貴族が屋敷内に入った後の中庭で立ち尽くすパウル侯爵の面々。

俺は、パウル侯爵達には目をくれずリリカ様に先程の国王の言葉の真意を尋ねる。


「先程、国王に助けられたって言われましたがどう言った意味なんですか?」

「その事ですが、この場では言えません。一度、個室に移って皆さんが集まったら話します。」

「わかりました。では、中に入りますか?」

「その前に、侯爵たちに声を掛けます。付いてきてください。」


リリカ様がまだ放心しているパウル侯爵に一言声を掛けるために近づいていく。

その後ろをエリスと二人でついて行く。


「パウル侯爵、中には入らないのですか?」

「ぐっ!!これはリリカ様。流石、リリカ様がお選びになった護衛ですね。若くして才能のある若者ですね。」


もの凄い掌返しだな!?決闘が終わるまで好き放題言っていたのに、旗色が悪くなると揉み手をしてへつらう姿勢に早変わりするとは・・・・。


パウル侯爵の態度など気にせずリリカ様は淡々と話を進める。


「クライスを褒めていただき有難うございます。まだまだ、パーティーは続きますので是非楽しんで下さいね。」

「そうですね・・・。しかし、急用が出来ましたので本日は失礼して宜しいでしょうか?勿論、国王様にもお許しを頂ければですが。」

「急用なら仕方ありませんね。お父様には私から伝えておきますので安心してください。」

「おお!!それは有難うございます。では、失礼いたします。エラブル、グーテ帰るぞ!!」


パウル侯爵は二人の息子に声を掛けて帰ろうとする。


「パウル侯爵!!今回の決闘での罰則は此方で定めて宜しいですね?」

「うっ!!畏まりました・・・・。決闘には負けましたのでリリカ様の御心のままに。ですが、少しばかりの恩情はいただけますでしょうか?」

「それは此方が決める事です!!しかし、私も鬼ではありませんので約束はできませんが考えておきましょう。」

「ありがとうございます。」


顔を青くして急ぎ帰ろうとするパウル侯爵とエラブル。グーテと呼ばれたお兄さんはリリカ様に近づいてくる。


「リリカ様、本日は折角の誕生日パーティーなのに配慮が足らない父と弟に代わり改めて謝罪させていただきます。」

「やはり、貴方は二人とは違いますね。しかし、貴方のお陰で色々と計画を早める事が出来ましたので今回の事は水に流しましょう。後は、此方に任せなさい。貴方の立場は悪い様には致しません。」

「重ね重ね、格別の配慮有難うございます。お渡しした資料が私が手に入れる事が出来た情報の全てです。引き続き必要なら情報を集めますが?」

「あの資料だけで十分です。追って、沙汰が出ると思いますので貴方も気取られぬ様に大人しくしていると良いでしょう。」

「畏まりました。では、私も失礼いたします。父と弟が私を置いて帰り兼ねませんので・・・。」


グーテさんは挨拶と共に意味深な事をリリカ様と話した後、足早に侯爵と弟を追いかけていく。


「リリカ様、資料とは何のことですか?」

「その事も含めての個室での話し合いです。そんなに難しい話ではありませんよ。」

「わかりました。」

「それと、話し合いが終わればいよいよお披露目です。覚悟してくださいね。」


リリカ様が満面の笑みで死刑宣告をしてくる。


やっぱり、お披露目は避けては通れないのか・・・・。決闘で目立ったのに更に目立つのはもう嫌だ・・・・。


俺はガックリと肩を落としてリリカ様の期待通りのリアクションを取るのであった。

本作『精霊と混ざりあった少年』を読んでいただき誠にありがとうございます



『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。



感想もお待ちしています。(メンタルは弱いので誹謗中傷は控えていただけるとありがたいです。)



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