第185話 這い出て来た者
「ぐぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
神の再びの絶叫が響き渡る。
背面からの奇襲。
それにより大きく背中を斬り裂かれた。
「お、おのれ!!」
前のめりになりながらも倒れるのは堪えた神。
後ろから奇襲をかけたクライスを憤怒の表情で睨みつける。
「隙だらけだったんでな。」
「調子に乗るなよ!!小僧がぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!
魔力を高め放出する神。
本来の神ならこの程度の奇襲は防いで当然。
しかし、今回は違う。
穴からの襲撃に加え焦りが隙を生む。
神にとって穴の中からの襲撃者が脅威以外の何者でもないのである。
それ故に、周囲に気を配る余裕など一切なかった。
そして、魔力を高めるということはどういうことになるかを怒りによって神は忘れていた。
バキッ!!
「「!!!」」
周囲に響いた盛大な音。
何かが壊れる音だがその音は神の後方から。
クライスには見えていた。
そして、神には見えていなかった。
クライスは大きく広がった穴を反射的に凝視してしまった。
神は自らの後方に大きく振りかえった。
「うっ!!」
込み上げる不快感。
今回は眼を逸らしても意味がなかった。
その存在がいるだけで周囲に影響を及ぼす。
五感が訴えかけてくる。
『距離をとれ!!』
『今すぐ逃げろ!!』
『見るな!!』
『感じるな!!』
様々な訴えが生まれては消え、生まれては消えを繰り返す。
本能に抗い神を見据える。
今、神は穴に振り向き隙だらけ。
しかし、クライスは動けなかった。
「なんだ・・・・・・・・・・・、あれは!?」
穴から這い出てきた存在を直視してしまった。
それは闇。
人の形をしているが漆黒の闇。
黒よりも昏く、光を一切通さない。
闇の中でも闇としっかり認識できてしまうのではないかという程の存在。
それが穴の中から這い出てきていたのであった。
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