第180話 出現
それは突然の出来事だった。
神との鍔迫り合い。
エリス?に言われて神の行動を止めようとするクライス。
歪な穴を閉じようとする神。
穴が閉じきる瞬間にクライスに邪魔をされ穴は閉じなかった。
そして、一刻も早く穴を閉じたい神は怒りに任せて魔力を右腕に圧縮させた。
それが神の誤算だった。
『まずい!!』
クライスの本能が理解した。
今日何度目かの死を感じる。
思考が加速して世界が緩慢になる。
だからこそ観ることができた。
『なんだ!?』
神と自分の魔力が拮抗していたのは理解できた。
そこからの余波がどうなっているのかは知らなかった。
『穴に吸われてる?』
二人の魔力が穴の中に吸い取られているのを観て驚愕する。
そして、今日一番と思える魔力の高まり。
神の右手に集まる魔力はそれだけで世界を壊せると思う程の圧倒的力。
それが爆発する・
そう感じたクライスだが同時に穴にも異変が起きる。
魔力の急激な高まりに呼応するかのように穴が急速で広がった。
そして穴が広がれば、穴からから出てくる者がいる。
初めは右手だった。
その右手が神の右手を掴む。
「「!!!!!!!!!!!!!!」」
二人の驚愕。
クライスは純粋に穴から出てきた存在の強さに驚く。
それに対して神は・・・・・・・・。
「馬鹿な!!何故だ!?何故、急激に封印が綻ぶ!!」
様々な感情が入り混じった表情で穴から現れた右腕を凝視するのであった。
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