第167話 終わり
神の右腕に急速に集まる魔力。
感じる魔力量は先程の一撃と同程度。
『まずいっ!!』
全身に走る悪寒。
この正体は即座に理解できた。
間近に迫る死。
それが眼の前で発生した。
「くっ!!」
クライスは自身の持てる魔力を『天羽斬』に注ぐ。
急速に高まり合う魔力が反発し力場を発生させる。
キィィィィィィィィィィィィィ!!
甲高い金切り音が発生する。
耳を劈く音が世界を駆け巡る。
天に大地に爪痕を残す。
それでもなお二人の魔力の高まりは止まらない。
「ほう?未だ命を燃やすか・・・・・・・・。しかし、無駄だ。」
神の魔力がクライスの魔力を上回る。
元より勝てる魔力では無かった。
神の遊び心で生き永らえていたのが事実。
それを止めただけ。
「離れろ。」
神が呟くと同時に左手をクライスの胸に添える。
それだけでクライスは後方に吹き飛ばされ距離を開けてしまう。
「しまった!!」
開けてはいけない距離が開く。
高まる魔力が込められた右腕を神が頭上へと掲げる。
「終わりだ・・・・・・・・・・・・・・。『断命』」
一言。
遊びは終わりだと告げ右腕を振り下ろす。
呟く技名は『断命』
その名の通り命を絶つ。
絶対の一撃が振り下ろされた。
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