第163話 動き出す敗因
大地に描かれた魔法陣が浮かび上がり立体化していく。
幾重にも重なり描かれた魔法文字は輝きを増していく。
輝きを増した魔法陣が回転を始める。
次第に高速になる魔法陣。
幾重にも重なった幾何学模様がクライスの身体を通り抜ける。
「なんだこれは?」
神の疑問が呟かれる。
大地より魔法陣が立体化したかと思えば高速で回転するだけ。
しかし、それよりも神には気になることがあった。
「なぜ我の一撃が消えている?」
先程までクライスとぶつかり合っていた魔力が忽然と姿を消した。
それどころか周囲に蔓延していた魔力すらも無くなっている。
しかし、世界に生まれた歪だけは残り続ける。
「なんなのだ?鬱陶しいな。」
神の苛立ち。
それも仕方ないだろう。
長い準備をかけて、何かしてくるかと思えば魔法陣が高速で回るだけ。
周囲の魔力が吸収されているようだが些細な事。
一つ気がかりなのは先程の一撃が消えたことだ。
それでも、神の優位は変わらないと考える。
故に、この魔法陣に対して深くは考えないようにした。
それが神の唯一の敗因と知らずに。
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