第161話 相対する恐怖
放たれた非情の一撃。
混沌に渦巻く魔力の塊はゆっくりとクライス達に向かって飛んでくる。
否、ゆっくりに見えるのは二人だけ。
クライスとエリスだ。
周囲から俯瞰した視点であれば高速で放たれた非情の一撃が目に入っただろう。
避ける意味はあるのだろうか?
そう、疑問を抱かせるほどの魔力を内包している。
『緩慢だ・・・・・・・。これが死の直前のかな?』
クライスには考える時間があった。
否、あったというよりできたが正しいだろう。
濃密な魔力の影響か?それとも死を目前にした感覚の鋭敏化か?
どちらにせよ、動くことはできそうだった。
『後ろを確認してる暇はない!!眼の前の脅威に全力で立ち向かうだけ。』
自らが持つ『天羽斬』にもてる魔力を注ぎ込む。
自然と居合の形に。
クライスの研ぎ澄まされた神速の居合が解き放たれた。
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