第155話 新たな力 Ⅵ
まるで身体が地面に縫い付けられているかのような感覚。
即座に思考を切り替え押し当てられている手の周囲に魔力を集中させる。
「遅いぞ?」
ドックン!!
世界にしっかりとした脈動の音が響き渡る。
それと同時に口から血を吐き出すクライス。
「クライス!!」
エリスの悲痛な叫びが生まれる。
自分は何もできない歯痒さから生まれる叫び。
自分はこの魔法陣から出ることはできない。
全てはクライスに任せている。
故にクライスを信じることしかできないのだ。
「がはっ!!」
膝から崩れ落ちそうになる。
即座に周囲に魔力を集めたのが功を制したのか前回とは違い意識を失うことが無かった。
それでも受けたダメージは大きい。
朦朧とする意識を何とか奮い立たせ神に反撃を試みる。
「ふっ!!」
力なく振るわれる刀。
避けるのも面倒なのかその身で刀を受け止める神。
余裕な表情を浮かべる神に今度はクライスが不敵な笑みを送る。
「避ければいいものを・・・・・・・。」
クライスの言葉に疑問を持つ神。
そして、即座に理解したのであった。
クライスが何をしようとしているのかを。
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