第154話 新たな力 Ⅴ
「よく見破ったな。騙されていれば良いものを。」
「ぐぬぬぬぬ!!」
左腕を覆う煌めく鱗。
角度によっては違う色に見え七色の輝きを魅せる。
クライスの刀を受け止めている左腕は淡い光を放ち火花を散らす。
力と魔力を込め断ち切ろうとするが鍔迫り合いで終わる。
神の右腕はがら空き。
それなのに行動を起こさないのは余裕の表れだろうか。
眼を細め微笑みを浮かべる神。
その表情に異常なほどの寒気を感じたクライスは即座に距離を離す。
砂煙を巻き起こしながら後ろに下がる。
勢いを消し切れていない証拠。
それだけ、異常な何かを感じ取ったのだろう。
「どうした、もう来ないのか?」
首を傾げて不思議がる神。
そんな神を見てクライスの脳裏に一つの疑問が生まれる。
『何かが違う。先ほどまでの神ではない?』
姿形は同じ。
なのに違和感を感じてしまう。
そのせいでクライスの行動に戸惑いが生まれる。
そうした戸惑いを感じ取ったのか、神が動く。
「来ないのならこちらから近づこうか。」
「なっ!?」
一瞬の瞬きの間に距離を詰められる。
そして、いつの間にか神の右手がクライスの胸に押し当てられている。
『まずい!!』
蘇るはこの間の攻撃。
為す術もなくやられた攻撃。
受ける訳にはいかない。
距離を空けようと足に力を込めるが。
『動かない!?』
身体が動いてくれなかった。
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