第152話 新たな力 Ⅲ
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」
荒く息を吐き天を仰ぐクライス。
後ろでは神の身体が地面に墜ちる音がする。
『勝てたのか・・・・・・・・・?』
クライスに疑問が浮かぶ。
神にしては呆気無い最後。
それがクライスの中で疑問となる。
後ろを振り向く。
静かに神が倒れている。
そこからは溢れんばかりに血が流れ出ている。
エリスを見れば不安な表情を浮かべている。
『エリスも同じ気持ちか・・・・・・・・。魔法陣を解いてないのが証拠だな。』
二人ともが神の死を疑っている。
未だ、この場に禍々しくも神々しい神の魔力の波動が残っている。
暫くの間クライスは構えを新たに神の死体を眺める。
「・・・・・・・・・・・・・・。」
一体どれだけの時間が経過しただろう。
時間の経過が判断できないが、クライスの中ではかなりの時間が経過した感覚に陥っている。
すると。
グジュ!!バキッ!!ゴボッ!!
神の遺体から不快な音が聞こえ始める。
それと同時に神の遺体が脈動を始め、血液は泡立つ。
別れた身体に魔力が宿る。
『なんだ!?何が起きる?』
クライスの不安が増大する。
確実に死んでいた。
その筈だ。
なのに、魔力が活性化していく。
蠢く別れた身体。
血液が血線となり身体を繋げる。
ドックン!!ドックン!!ドックン!!
血が脈動する。
大きな塊が血線を通っていく。
身体が宙に浮かぶ。
魔力を纏った身体を血線が繋げる。
二つに別れた身体が繋がり傷跡を無くしていく。
しかし、神の眼に光は無い。
ほんの数分で回帰した神の身体。
その異常な光景にクライスとエリスは動けずにいたのであった。
明日は月曜日なのでお休みをいただきます。
明後日の更新をお待ちください。
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