第151話 新たな力 Ⅱ
拮抗していた魔力が徐々に崩れる。
勝機はクライスに。
神もそのことが判っているのか屈辱に表情を歪める。
「ありえん、ありえん、ありえん!!この我が圧し負けるなどあってはならないのだ!!」
憤怒の表情に変わった神が魔力の圧を上げる。
しかし、右腕の再生に魔力を使用しているのか魔力が上昇しきれていない。
その事に気付いたクライスがさらに魔力を練り上げようとする。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「まだ上がるというのか!?ふざけた真似を!!」
上昇を続けるクライスの魔力に神が憤慨する。
しかし、現実は無情にもクライスに味方する。
神の魔力をクライスの魔力が侵食する。
「我の魔力までも喰らうか!?」
クライスの魔力が神の魔力を喰らう事により更に肥大化する。
左を突き出し障壁を展開している神に焦りが生まれる。
クライスは障壁に対して鍔迫り合いの様な形で迫っている。
徐々に前進するクライス。
後退する神。
遂にその拮抗が完全に崩れ去る。
パキッ!!パキキッ!!
「こ、このーーーーーーー!!」
「うぉおおぉおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
バキャァーーーーーーーーーーー!!
鈍い音が世界に響き渡る。
神の障壁が遂に壊される。
「おのれーーーーーーーーーーーーー!!」
「貰ったぁぁあぁぁぁぁぁあっぁぁ!!」
憤慨する神と雄叫びを上げるクライス。
遂にクライスの刀が神を斬り裂く。
「がっぁ!!!」
縦に両断。
二つに別れる神。
短い苦悶の声が漏れる。
ドシャ!!
左右に別れた神の身体が地面に墜ちる。
クライスはそんな神を背にして天を仰ぎ見るのであった。
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