第139話 反応
神の変化。
それはクライスの世界だけでは止まらなかった。
「こ、これはっ!?」
「ギャッ!!」
「ガァアアアア!!」
「なんて、禍々しいんだ・・・・・・・・。なのに神々しさも感じるだと!?」
「ひっ!!ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「この世の終わりじゃ・・・・・・・・・・・・。」
神の漏れ出る莫大な魔力の波動が世界を超えて伝播する。
ある者は恐慌に陥り。
ある者は涙を流し。
ある者は原因を探ろうと。
人だけに限らず、生きとし生けるもの全てに様々な感情を植え付けていく。
その渦中の人物であるクライス達は。
「眼が霞んできたかな・・・・・・・・・・?」
『大丈夫か?』
「ははは、結構厳しいよ・・・・。でも、やっと掴んだチャンスだ。泣き言は言えないよね。」
『気休めだけど魔力を取り込むわね。』
「ありがとうセレネ。インドラも弱音を吐いてごめんね。」
『構わん、一蓮托生の身だぞ。弱音の一つぐらい吐け。』
クライスは限界を迎えようとしていたが気力で踏ん張っていた。
神から放たれる波動が意識を削いでいく。
世界が軋む。
それでも、神を倒すために命を燃やす。
「エリス、準備はこれでいい?」
「ええ、大丈夫。後は神の一撃を待つのみ。」
「アッシが囮になりましょうか?」
「久々利はサポートに回って。神とは僕が対峙しないと。」
エリスの傍に一度近寄りクライスは確認する。
エリスの準備は整っている様だった。
後は神の一撃を待つのみ。
久々利が囮をかって出たが恐らく神の意識が向くことはないだろう。
今なお、神の憤怒の感情はクライスにのみ注がれているのだから。
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