第136話 輪廻転生 前
『やはり、神は驚愕するか・・・・・・・・。手札を切って正解か。あとは吉と出るか凶と出るか・・・・・・・・・・・。』
クライスが取り出した『天羽斬』
それをみた神は驚愕の表情を浮かべる。
神にとっては疑問でしかなかった。
何故あの短刀を持っているのか?
驚愕に満ちた表情を引き締めなおし思案する。
番はあの短刀を扱えるのか?
扱えるのであれば番の戦力は今までの比ではなくなる。
あの短刀は神を殺すに足る存在。
この世にあってはならぬもの。
それを番であるクライスが持っている。
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。」
大きく息を吐くクライス。
『天羽斬』は今も魔力を吸い続ける。
以前と違い際限なく己が刃に魔力を蓄えている様だった。
「春から夏へ、夏から秋へ、秋から冬へ、冬から春へ。季節は巡る。一つの人生の様に。世界は命で満ちる。失う命は無く全ては巡る。散り逝く命は新たな命へ。廻れ、廻れ、廻れ。加速する輪廻は全てを許容し全てを抱え込む。さぁ、共に廻ろう。全ての苦しみから解放しよう。天へと飛びたて。地へと堕ちよ。」
クライスの詠唱が始まる。
世界に魔力が再び満ちる。
季節が廻りまた巡る。
四季折々の顔を世界が見せる。
大気に満ちるは輪廻転生の理。
その一撃を『天羽斬』に乗せる。
『天羽斬』は歓喜に打ちひしがれたかの様に魔力を取り込む。
刀身が淡い光を放つ。
クライスが望む形へ。
ここに神を討つクライスの最後の一撃の準備が整った。
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