第130話 喰らう世界 中
世界が神の魔力を喰らい変質させる。
次々と創り出される氷線が神を覆いつくす。
創り出された氷線が神との距離を縮める様に範囲を狭めていく。
距離が縮まろうとも神は動じない。
ここからどうするのかが楽しみで仕方がない。
「さて、ここからどうするのか?」
楽しそうに口角を上げる神。
自らの身体に纏わりつこうとする氷線を眺める。
拘束はできても一瞬。
自らの身体を傷つけることなどできない。
絶対の自信からくる余裕。
その余裕が神の判断を鈍らせた。
「うん?なっ!!何ッ!?」
絡みつく氷線。
それが神の肌に喰い込み傷を負わせる。
更には傷の治りが遅くなっている。
違和感。
改めて、自らの身体に傷をつける氷線を凝視する。
「なるほど・・・・・・・・・・、小賢しい真似を。」
創り出された氷線。
それは神の魔力が混ざっていた。
故に、自らの身体が誤認する。
自傷行為に関しては傷の治りが遅くなるようだ。
それ故に、神の魔力が混ざった氷線は誤認される。
しかし、気が付いた時には遅い。
神の身体は氷線の餌食になっていた。
すでに動きが取れないほどの雁字搦め。
全ての氷線が神の身体に巻き付いたときに視界が晴れる。
そこには刀を抜刀しようとするクライスが眼の前に存在していたのであった。
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