第127話 氷の世界と音
世界を凍てつく程の冷気が侵食していく。
散り行く花弁が凍て付き繋がる。
広がり続ける花弁の氷線が世界を覆いつくす。
全ての行動を阻害するかのように埋め尽くされる花弁の氷線。
ここにクライスの絶対防御が完成する。
以前も神の攻撃を防ぎ切った。
魔力の尽きぬ限り続く氷線は静かに停止している。
「幾ら世界を埋め尽くそうとも我が攻撃の前では無意味だぞ?」
以前にも見た光景に神は皮肉を言う。
そんな神の態度も意味を成すことはない。
クライスは静かに世界を作り替えていく。
不思議と寒さは感じない。
クライスが作り出す世界であるために自由である。
そして、世界全ての花弁が凍り付く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ。」
静かに息を吐く。
吐いた息が白く色付き世界を漂う。
息が花弁に触れる。
それを合図に全ての花弁が共鳴する。
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
甲高い音が世界に響き渡る。
その音が鳴り止む事がなく増幅していく。
「鬱陶しい音だな・・・・・・。」
神の耳に響くは不協和音。
音が神を不機嫌にさせる。
「音による攻撃?意味などないぞ。」
神は気づかない。
自らの異変を。
すでにクライスの目論見は完成していることを。
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