第126話 種明かしと移り行く季節
「旦那、あれは何が起こっているんで?」
久々利が神が苦しんでいる状況を理解できなかった。
クライスの演武が終わるとともに集められていた魔力が消えた。
その瞬間には神が苦しみだしたのだ。
クライスが何かをやったのは理解できるが何かをやったまでは理解できない。
それゆえに、クライスに尋ねる。
「さっきまで集めていたのは極小の魔力の刃。神の障壁の隙間を抜ける程のね。さらに今回は光の属性で形成していたから見えづらいし、障壁の効果も薄い。神に対しては効果抜群のようだね。」
息を整えたクライスは久々利に説明する。
言っていることは理解できるが、いざ行動に移すなら膨大な魔力を操らなくてはいけない。
それをやり遂げたクライスには大粒の汗が浮かんでいる。
傍からみても満身創痍。
ここまで優位に立ちまわれていても神には意味をなさない。
「アッァァァァァァァァッァァ!!」
神の咆哮。
そして同時に神に纏わりついていた魔力の刃が霧散する。
苛立ちを隠せない神がクライスを睨みつける。
「なかなかに鬱陶しい攻撃だったぞ!!それで?これで終わりなのか?」
余裕の様に話しかけるが苛立っているのが理解できる。
クライスは刀を納刀し構える。
「まだまだこれからだ!!」
世界が移り行く。
秋から冬へ。
桜の木々の葉が散る。
散った葉が世界に固定され凍り始める。
「四の型『瞬凍冬鱗』」
クライスの創り出す世界においての絶対防御。
その姿が形作られていくのであった。
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