第115話 久々利
「すまねぇ、旦那・・・・・・・・・。決めきれなかった。」
「仕方ないさ、忘れられたとはいえ神の一柱。簡単だったら苦労しないよ。」
「ですね・・・・・・・・・・。」
クライスと狐の獣人は神を前に警戒しながらも軽い感じで話し出す。
その神は未だに無数のクライス達による攻撃を受けていた。
その全てが極光に遮られているが時間は稼げている。
「時間はどうですか?」
「そうだね・・・・・・・・・・・・・、あと少しのようだ。」
「踏ん張りどころってことですか。」
獣人の言葉にチラッとエリスを確認するクライス。
エリスは地面に膝をつき魔法陣の中心で祈りを捧げ初めていた。
先程の様に魔力を注ぐのではなく、何かを呼び寄せる為の祈り。
魔法陣も淡い光から力強い光に変化している。
確認が取れたクライスは安堵の息を少し吐き、神へと注目する。
神の動きが無さすぎる。
「どうしますか?こちらを観察しているようですが・・・・・・・。」
「そうだね・・・・・・・。明らかに久々利を意識してるね。」
「アッシをですか・・・・・・・、それはそれは。頑張りどころですな。」
久々利と呼ばれた狐の獣人が笑みを浮かべて神を見据える。
神と視線が交差する。
明らかに神の視線からは楽し気な雰囲気が感じられる。
気を引き締めなおした二人は次の攻勢に出る。
『一の型 霞春落桜』では神に届きはしたが久々利の力を借りてだった。
気持ちを切り替えて次の技へと切り替えるクライスであった。
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