第101話 攻防 Ⅳ
通った!!
神の肌に流れる一筋の赤。
神からしたら些細な傷かもしれないが傷をつけたことが大きい。
強固な障壁を突破したのだから。
今の感覚を忘れるな!!
クライスは再び集中する。
神に通した一閃。
その感覚を忘れてはいけない。
何故なら、今までと全く違う感覚だったからだ。
思い出せ、今の感覚を。
クライスが集中すると世界が色を失っていく。
自分の感覚が何十倍にも膨れ上がった感覚。
自らの眼が捉えているのは世界の流れ。
波の様にユラリユラリと漂う世界線。
酷く緩慢な世界でクライスだけが俊敏に動く。
刀に魔力を乗せる。
薄く、細く、強固な刃。
纏う刀以上に繊細な刃を作る。
狙うは神の障壁の隙間。
今なら見える。
固有結界の力を借りずに視認できる隙間に狙いを定め一閃。
シュッ!!
風を切る音だけが響き渡る。
腰をきり右手で刀を抜く。
鞘の中で加速された刃は一撃必殺と化す。
魔力を纏いし刀に障壁は意味をなさない。
強固な刃が障壁を切り裂き破壊する。
必然として。
ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
再び斬り裂かれる神の身体。
先程と違い大きな傷。
鮮血が宙を舞う。
鮮やかな赤は世界に色を戻していく。
再び納刀したクライスは神を見据える。
神は自らの傷口をなぞる。
すると、そこには傷などなかった。
瞬時に回復した神はクライスを見て微笑む。
「見事なり。」
神の賞賛。
自らを傷つけたクライスに惜しみない賞賛。
クライスは表情を変えない。
神とはこういう存在だと認識しているから。
むしろ、ここからが本番。
神との直接戦闘。
前回は手も足も出なかった。
しかし、今回は違う。
必ず勝つ。
その想いは神にも届く刃となるのであった。
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