第96話 賞賛 前
「くっ!!あぁぁぁ!!」
かなりの速度で投げ捨てられたクライス。
しかし、何とか空中で身を翻して地面を削りながら着地する。
盛大に砂埃を撒き散らしながら着地したクライスは周囲の確認を急ぐ。
「ここは・・・・・・・・・・・、中央噴水広場?なのか・・・・。」
余りにも変わりすぎた広場。
更地と化し見るも無残な広場にクライスは絶句する。
「ここなら邪魔も入らず全力で戦えるだろう?」
「そのようだな・・・・・・・・・・・・。」
悠然と歩き近づく神。
まるで、今から遊んでやると言わんばかりに尊大な態度である。
実際、忘れられたとはいえ神。
自らの実力に疑いなどなく負けるとも思っていない。
もし、万が一ということがあるのならそれは自らと同格の存在。
すなわち神同士の戦いである。
「さて、次はこちらからいくとしよう。」
徐に振り上げられた左腕。
すると、地面を切り裂きながら一筋の線が奔る。
ザンッ!!
瞬時に身を捩って半身になるクライス。
しかし、完全には躱し切れておらず、胸に一筋の切り傷がつけられる。
「よく避けたな。そら、次だ次。」
「っつ!!」
クライスの表情が引き攣る。
それは仕方がないだろう。
神がまたも左腕を振りぬく。
すると、次は一筋ではなかった。
眼に見えるよう可視化された魔力の極薄の線刃。
それが格子状に宙に現れクライスに向かって放たれる。
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅ!!しっ!!」
クライスは即座に納刀。
大きく息を吸い気合一閃。
魔力を纏った刀が線刃の格子を切り裂く。
バキッィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!
甲高い音と共に砕かれる格子。
しかし、クライスも後方に軽く吹き飛ぶ。
パチッパチッパチッ。
戦場に似つかわしくない拍手の音。
その出所は神であった。
「素晴らしい。この前より強くなっているのは確かだな。」
心からの賞賛をクライスに送る神がそこにいるのであった。
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