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精霊と混ざりあった少年  作者: 田舎暮らし
第1章 始まりの物語
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第4話 三日市 Ⅰ

魔法大国マルスの領土にあるウース領。

王都マルスより馬車で10日程の場所に位置する場所に存在する都市。

王都から離れており領土の周囲を森と山脈に囲まれた辺境の地で在りながら、様々な物資が行き交う都市となっている。

その理由の一つが、商業国家ナニーワに所属する街から街・都市から都市を渡り歩く放浪業者集団『流れ星』が懇意にしているのが挙げられる。

『流れ星』によって開かれる三日市や行商によって辺境にありながら王都等と変わらない物が手に入り、また『流れ星』や商人は辺境特有の珍しい素材を仕入れる事ができお互いの利益が生まれている。

ウース領の首都ウースは都市の中央に噴水のある公園を中心に六つの区画に分かれた都市である。

領主の館が在る貴族区を中心に商業区・職人区・一般区・学園区・ギルド区とある。

その中で、三日市は中央公園から商業区と職人区に向けて開催される市である。


「わーー。今日も凄い人だね。」

「そうだな。なんてったって皆の楽しみの一つだしね。」

「はぐれるの嫌だから手を握って良い?」

「えっ!!!」


エリスは少し上目づかいでクライスにとんでもないことを頼んでくる。

勿論、クライスは恥ずかしいので手を繋ぎたくない。むしろ誰かに見られたくないのが大きな理由である。

家の近くならまだ良いが、様々な人が行き交う三日市では恥ずかしさが勝ってしまうようだ。


「ダメ?」

「いや、駄目じゃないけど・・・・。」

「じゃ、問題ないのね。」


エリスは笑顔でクライスの手を繋いで歩き出す。

クライスは顔を赤くしながらエリスに手を引かれながらついていく。


「いらっしゃい。珍しい食材があるよ。」

「今、王都で有名なデザイナーが作った服があるよ。」

「そこを、もう少し負けてくれないか?」

「よし、買った。」

「ねえねえ、あのアクセサリー買ってよ?」

「あの飴食べたーい。買ってよ――。」


街の人々や商人の様々な声が行き交いいつも以上の賑わいを見せる三日市の会場である商業区と職人区。

職人区は主に珍しい魔物素材や良質の武具が揃い、商業区では珍しい食材や流行中の服飾などが揃っている。

勿論、クライスとエリスは商業区の三日市に来ており色々なものを物色している。

特にエリスは目を輝かせながら流行の服やアクセサリーをとっかえひっかえ物色していく。

既に、商業区に来て二時間。手を繋がれ、連れまわされるクライスは精神的に疲れていた。


「一体、どれだけ見て回るんだよ。少し休憩したい。」

「何か言ったクライス?」

「いや、少し休憩でもしないかなーーと。」

「え?もうそんなに時間たってるの?うーーーん、もう少し見て回りたいんだけどダメ?」

「はい?まだ回るのか?というか、疲れてないのか?」

「全然疲れてないよ。だって、楽しいじゃない。クライスは楽しくないの?」

「いや、楽しい楽しくないじゃ無くて少し休もうかって話だよ。」


エリスは全く疲れた様子を見せず、逆にクライスが楽しくなさそうにしているのを見て悲しい顔をしてしまう。


「そんな、顔するなよ。少し休憩して気分を変えないか。」

「クライスがそう言うなら。」

「それに、エリスが喜んでるなら三日市に来た甲斐もあるって事だ。」

「え!!!それって?」

「はい!!行くぞ。あっちに確か美味しいパンケーキのお店が在っただろ。そこに行こうか。」

「ねーー。もう一度、もう一度言ってよ。」

「言わないよー。ほら、手を繋ぐんだろ?」

「うん。」


クライスの突然の言葉と行動に、顔を赤くして顔を伏せて手を繋ぐ。

クライスはクライスでエリスを見ないように明後日の方向を見ているが同じく顔を赤く染めていた。

二人はお互いの顔を赤く染めながら、街で人気のパンケーキを出すお店に歩いていくのだった。

本作『精霊と混ざりあった少年』を読んでいただき誠にありがとうございます。



私の初めての作品であり完結までは書き続けたいと思いますので、どうか暖かい目で見守ってください。



また、『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。



感想もお待ちしています。(メンタルは弱いので誹謗中傷は控えていただけるとありがたいです

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