第4話 入学式
入学式会場は校舎隣にある体育館であった。
既に多数の生徒が用意された椅子に座っており空いている席は前方しかなかった。
「前しか空いておらぬか。まぁ何処でも良いか。」
「そうですね、特に席は決まってなさそうですしね。」
「でも、僕達がリリカ様の横に座って平気なんですか?一応貴族や平民のしがらみと言うか何と言うか・・・。」
「気にせんで良い。学院では権力を振り翳すことは許されておらん。」
「成程。それなら、遠慮しなくても良さそうですね。」
「しかし、中には選民意識の強い貴族もおる。そんな輩には学院のルール等意味が無いと考えておくと良いぞ。」
「ええええ!それ、大丈夫なんですか?」
「ダメに決まっておろう!!しかし、学院内部での出来事と子供同士の事と言う事で余程の問題でなければ大人は動かんぞ。」
「それは・・・・。では気を付ける以外無いんですね。」
「なるべく授業以外はわらわと行動しておくと良いぞ。わらわの関係者と認知されれば下手に手を出してはこんだろう。特にエリスは暫くの我慢じゃな。」
「わかりました。お手数をお掛けします。」
「構わん、構わん。それより、午後の事は聞いたな?」
「はい、練兵場への集合ですよね。今日は何をするんですか?」
「それもお楽しみじゃの。安心せい、おぬし達が絶対に喜ぶ事じゃ。」
「凄く気になりますが・・・・午後まで我慢します。」
そろそろ、入学式が始まるか。色々問題がありそうなことを聞いたけど後にするか。
「これから、王立マルス魔法学院の入学式を始める。学院長挨拶をお願いいたします。」
ようやく始まったか。お偉いさんの話が続くのか?
ありきたりな話ばかりだな。暫くは我慢だな。
俺が退屈そうにしていると隣のエリスに足を踏まれる。
いやーー地味に痛い。お願いだから止めてくれないかな。
わかりました、真剣に聞きます。だから本当に止めて。
隣のエリスに目線で訴えると納得してくれたのか踏むのを止めてくれた。
はぁーーー、早く入学式終わってくれ。
「続いて新入生代表挨拶に移ります。新入生代表リリカ・フォン・マルスさん」
「はい!!」
新入生代表でリリカ様の名前が呼ばれ驚いてしまう。
え!リリカ様が代表だったのか。ビックリした。
リリカが立ち上がり壇上に上がる。
一呼吸おいてリリカが挨拶を始める。
「ご紹介に預かりました。新入生代表リリカ・フォン・マルスです。今日この良き日に、保護者、御来賓の方々に見守られ、教師、在校生の方々に迎えられ、王立マルス魔法学院に入学できたことを大変喜ばしく思います。」
「これからの三年間に様々な方との出会いや、お互いを高め合うことが出来る関係が築けると思うと期待で胸が一杯です。」
「この場におられる保護者、御来賓の皆様には私達を常に温かく、そして時々厳しく見守っていていただきたいと思います。」
「また、教師、在校生の皆様、私達後輩を三年後、より大きく成長して羽ばたいて行けるよう御指導御鞭撻のほど宜しく御願い致します。」
「新入生代表リリカ・フォン・マルス。」
リリカ様の挨拶が終わると拍手が鳴り響く。
いやー感動した。絶対俺では考え付かないな。流石リリカ様。
「どうじゃった、わらわの挨拶は?」
「「感動しました!!!」」
「そうか、そうか。一生懸命考えたかいがあった。もう入学式も終わりじゃから気が楽じゃ。」
リリカ様の言葉通りに進行役の先生が入学式の終わりを告げる。
後は、教室に戻って学部選択か・・・リリカ様は別々にしろと言ってきたが、どんな学部があるんだ?
前の席から順番に立ち上がり会場を後にする。
俺もエリスとリリカ様に沿って席を立ち教室に向けて歩き出すのだった。
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