第22話 始まりの事件 sideクライス
お待たせしました、第0話のクライス視点です。
第0話の細かい文字修正をいれております。お話自体は変わっていませんので確認しなくても大丈夫です。
痛い、痛い、痛い。なんだよこの痛みは。何で襲われてんだ?
クライスの周りには二体の精霊が飛び交っている。
何故か、クライスに向かって光と雷を放出している。
大人しい存在じゃなかったんですかリリカ様?全然大人しくないんですが。
くそ!!!痛みで何も考えられないし周りが眩しくて何も見えない。エリスは無事なのか?
絶えず、クライスの周りで精霊が力を放出する。
二体の精霊は荒れ狂う嵐の如く暴れる。
「あああああああああああ!!!」
クライスは、痛みで叫ぶ。
その叫びはエリス達を焦らせるだけである。
痛みに耐えながら目を開けると三人が話し合いをしている。
恐らく、助けるために何か行動を起こそうとしているんだろう。
しかし、クライスに対する精霊の攻撃と周りへの影響が大きすぎて困惑しているのが見えてしまう。
「クスクスクス。」
「あははははは。」
聞きなれない声が聞こえる。
一体誰だ?俺たち以外にいない筈だよな?
突然聞こえてきた笑い声。
痛みに耐えながら周りを見渡すが誰も近くにはいない。
改めて、痛みに耐えながら耳を傾けるとありえない所から声が聞こえてきた。
それは、自分の周りで荒れ狂っている精霊から聞こえてきていた。
精霊が笑ってる?精霊って話せるのか?
クライスも精霊に自我が存在しないという事は冒険者の皆に聞いていたので驚く。
その精霊が笑う。普通ではあり得ないことにクライスは意識を飛ばしそうになる。
くそ、気絶は不味いぞ。でも、限界も近い。どうすれば・・・・。
エリス達の方を見ればエリスが一歩自分に近づいてきている。
「エ、エリス?何を・・・・するつもりだ?」
エリスが何かしようとするのは分かるが痛みで考えられないでいた。
エリスが集中して魔力を集めているのだが精霊は意に関せずクライスを襲い続ける。
精霊によりクライスはどんどん傷ついていく。既に全身を光と雷で蹂躙されて血だらけである。
しかし、出血した血は雷で直ぐに蒸発するので辺りには散らばっていない。
クライスの着ている服も上着は殆ど破けており胸元のペンダントが出てくる。
「見―――付けた。」
「あった、あった。」
またしても精霊の声が聞こえる。
その声で、精霊がペンダントを狙っていたのに気づいた。
ペンダントのせいなのか?一体これは何でできてるんだ?
クライスの素朴な疑問。しかし、それに答える者は今は近くにいない。
ペンダントを見つけた精霊は一層激しく暴れだした。
周りの崩壊現象も進む。もはや、クライスの周りは火災現場より酷い状態である。
そんな中、エリスから高密度の魔力が感じられた。
「エリス?魔力を集めてどうするんだ?」
エリスの行動は気になるが最早クライスにはどうすることもできない。
必死に痛みに耐えているとエイルが集めた魔力を放出する。
エリスから放出された魔力は一直線にクライスに向かってきてペンダントに直撃する。
「「ああああああああああ。」」
二体の精霊が同時に叫ぶ。
直撃した魔力はペンダントを粉々に粉砕してしまう。
砕けたペンダントはクライスの身体に降り注ぐ。
二体の精霊は砕けたペンダントを追うようにクライスの身体を覆う。
も、もう・・・駄目だ。限界・・・。
床に倒れこむクライス。
倒れたクライスに近づく三人とドアを乱暴に開けて入ってくる騎士とメイド。
それが、クライスが意識を手放す前に見た光景であった。
ようやく、ようやく第0話を回収できた――――!!!!
長かった・・・・・。
これからも書き続けるのみ。
でも、今日は記念で良い物食べようと思います。
では、明日の更新もお楽しみに。
本作『精霊と混ざりあった少年』を読んでいただき誠にありがとうございます。
私の初めての作品であり完結までは書き続けたいと思いますので、どうか暖かい目で見守ってください。
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