①
コラボ企画の一回目です！
「……居ない、よね？ ……おじゃましまーす……」
兄貴の部屋に侵入しながら、私は目標物の『クッソ高いゲーミングパソコン』にジリジリと近付いていく……そう、昭和アニメおしゃれレオタード三姉妹美術品泥棒みたいにね。って知らんがなそんなモン喫茶店経営は仮の姿ったって、あんなデカイ店を維持すんのどんだけ税金掛かるかっつーの？ だから盗みしてんのかな？(※違うよ) なら納得よね？ 関係ないけどさ。
それはさておき、私はがコソコソしながら不許可侵入してんのだって理由あんのよ？ だってさ～、おかーさんにスマホ取り上げられて「使い過ぎだから明日まで返しません！」とか言われたら無理じゃない？ 使いホーダイプランにしてもらえないせいだし、コッチにも色々都合あるんだからさ～。
てな感じで、取り敢えず私はゲーム仲間に状況説明する為に兄貴のパソコンを使ってメールだけでも送るつもりで、社会人の兄貴の部屋に来た訳だけど……
あ、ちなみに兄貴はズボラだからパソコンのブロックなんてしてないんだよね～。いっつも立ち上げっぱなしだし、タブも開きっ放し。この前なんてヘッドフォンしたまんまで部屋のドアが開いてんのに気付いてなかったから画面に映ってるアレな画像が丸見えだったのに……ん？ 何か踏んづけ……て？ (ぐにゃりんこ♪)
ぶびゅるるるぅ、ぶっしゃあああああぁぁぁ～っ！！！
なななななななに何が起きたの起こったの！？
いや、慌てて踏んじゃった何かを更に踏み締めちゃったのはダメだけど、兄貴も床にモノを平気で転がしとくとか、タダの嫌がらせよね！！ ……で、何踏んだんだろ？ ……電気、電気は……これかな？
(ぱちりーぬ☆彡)
……ん？ ……ああ、オワタわ。オワタわ、こりゃマジで……。
部屋の入り口まで手探りで戻って、ガサゴソ探りながらスイッチ見つけて照明を点けた私が見たのは……
兄貴ご自慢の『クッソ高いゲーミングパソコン』が『ねっちょねちょの粘液に包まれたゲーミングパソコン』に変化した姿だったわ……。
で、でもでも電源入ってるし、まだブーンとか音鳴ってるし大丈夫だよね？ ……それにだんだんチリチリって焦げ臭くなってきてバチバチ火花上がってるしいいぃぃいいいいいいぇ～ええぇ！！！？？？
ヤバいヤバいってか何で焦げ臭さに何処と無くダシ風味豊かな香りが混ざってんのよ！？ あ、もしかしてこの物体って、昨日兄貴が作って自慢してた【コクとまろやかさのバランスが取れたガゴメ昆布をふんだんに使用した肌に優しい潤いトリートメント効果も期待できる自家製ローション】だったのかな？
……いやいやいやいやそーじゃないそーじゃないでしょ！！ 私が兄貴のパソコンぶっ壊したってバレたら……な、何かとてつもなく恐ろしい事になる予感しか……無い！！
えーっと、先ずはパソコンのコンセントを引っこ抜かなきゃ……ってきゃああああああぁーっ！！ コココココンセントの先っぽが燃えてるぅーっ！！ み、水は水水……あ、ローションあったわ。
でっろぉおおおおおぉ～りぃん
……出るの遅っそいわね、これ。……すっげー糸引くし。
(……それから暫く経過。)
……やれやれ、何とか消火出来たわ。いやぁ～一時はどーなるかとヒヤヒヤしたわ……これでプチボヤ騒ぎレベルに納まりそうでよかったよかった……って断じて良くないわ！！
ま、まぁ……一応、画面見ておこーかな……あ、立ち上がった！！ さっすが高いゲーミングパソコンだけあるわ！！ こんなドッロドロになってんのにちゃんと電源入ったし～画面に映ってるのが物凄い粘液に包まれたようじょだったりするけど問題無いよね？ ……り、倫理的には……あ、キチンと【登場するキャストは全て成人しています】って表示されてるし。たぶん見た目が幼く見えるだけ……だよね？
そう言えば、そろそろ兄貴が帰って来るけど……
【ツヤツヤに自家製ローションでコーティングされたテラテラな元ゲーミングパソコン】
……これ、どーしよう。
さあ、しいたけ様……お次どうぞ！！
