潰しにくる?
やっと教授の自宅を訪問
よろしくお願いします。
助手席から運転する教授の姿を堪能する。
ハンドルを持つ手
額に少し落ちてきた前髪を払う仕草
密度のある睫毛
目尻のシワ
鼻のかたちも自分好み
薄い唇
顎のライン
高い喉仏……。
ヤバい ヤバい ヤバい!
ハンドルを切る時、ふわっと身体からいいにおいがする。
声も息も近い
雰囲気も柔らかくて色気が駄々もれだ
ハンドルを握る教授は最早危険物レベルにエロい。
「酒とつまみを仕入れたいんだけど手伝ってくれるかな?」
国道沿いの酒店に駐車してから
ハンドルに伏す様な姿勢で助手席を伺い見ながら
拒否権の無い疑問形でおねだりをされた。
『荷物持ちの要請』と『二人呑みの要請』
大型のカートを押している自分の
左腕に触れそうな距離から
「寮生は何を飲んでいるのかな?」
と聞かれたので
寮の飲み会はアルコールで騒ぎたいだけの
"子供祭り"だから
教授と呑みたい嗜好品を告げてみる。
「発泡酒ですね。ご相伴頂けるなら
あの辺の棚が気になります」
言いながらも恵比寿1ケースはカートに乗せる。
定番でハズレの心配が無いサントリー物を数点。
教授はヘネシーやらローゼスやら
次々とカートに。
焼酎の棚で
「あった」と小さく呟き
芋と麦を一本ずつ。
日本酒の棚では
「水の如し……」と不穏な呟きが聴こえ
また次々とカートに。
ツマミもナッツ類、チョコ、裂き烏賊やロールはぎといった干物系
何故かポテチ等のスナック類は総スルーして
蜂蜜、フルールドセル……。
(潰しにくる?)
缶詰のコーナーで
「重いかな?」と聞かれたが
今更なので
「大丈夫ですよ、お持ちします」
と、笑ってしまった。
玄関を開けた一瞬
車で嗅いだ教授の香りがした。
教授の家は
客に違和感を感じさせない
自宅に帰って来た様な雰囲気だった。
お読み頂いてありがとうございます。
誤字等、ありましたら申し訳ございません。
金魚の話し
水槽の水変えの時期を間違えると
タマゴ祭りになってしまうのでそろそろ気をつけている。
数年前水槽の底にタマゴが積もり
きれぬ水面の泡立ちに
金魚達の「祭りやぁー! 祭りやぁー!」
の声を聞いた。
仕方なく盆帰省に実家の釣り餌海老水槽に
50匹ほど養子に出した。
海老を3日ほどで食いしん坊万歳したらしい。
そろそろ実家の金ちゃんもお年頃なのだが
しらん しらん しらん……。